5Gって何、いつから、今のスマホは使えるの?

5Gについての情報がにぎやかに飛び交っています。5Gとは何のことかご存知でしょうか。

「第5世代移動通信システムのことです!」と言われてもピンときません。

smartphone-image
何やらスマホに関わる騒ぎのようですが、どんなことなのか、いつから始まるのか、今手持ちのスマホは使えるのかなど様々な疑問が起こります。

本稿では5Gとはどんなことなのか、いつから始まるのか、現在手持ちのスマホはどうなるのかなど気になる疑問について分かりやすくまとめてみました。

まずは5Gについてお話します。

5Gとは

5Gとは第5世代移動通信システムと呼ばれ、次世代を担う新しい通信回線システムのことです。

通信回線システムは1979年の自動車電話の1Gから始まって、2G、3Gと受け継がれ、メールができたり、ネットに繋がったりと、次第に進化して、現在使われている4Gに至りました。

そこに次世代の通信システムとして5G通信回線が現れたという状況です。

以下に5Gの主な3つの特徴を、現在の4Gに比較して分かりやすく解説します。

大容量を超高速で通信できる
5Gの通信速度は最大値で20Gbpsで、これは現在の4Gの20倍の速さになります。

2時間の映画をダウンロードするには現在の4GのLTE規格では5分かかるところが、3秒でダウンロードが完了する速さだそうです。

つまり高精細で大容量の映像でも瞬時に通信できることになります。

超低遅延性である
5Gの遅延性は1000分の1秒以下と言われており、限りなくゼロに近い値です。

そのため地球の裏側の相手と通信してもリアルタイムに会話ができます。

また高速道路を走る自動車ではブレーキ操作などの遅れが発生しないので自動車の自動操縦システムにも活用できるし、航空機なども自動操縦で制御できることになります。

多数同時接続性がある
1km2あたり、現在の4Gの100倍もの端末に接続が可能になります。

著しくloT化が進んでいる現況で、家庭内にあるあらゆる種類の電化製品はもとより、将来的には電気や水道水の供給システム、公共機関や病院、大企業の膨大な情報システム、公共のインフラなどへの接続も可能になります。

そのような対応は現在の4G規格の性能ではとても間に合いません。

つまり5G移動通信システムとは、現在の4Gシステムの可能性を遥かに凌ぎ、様々な方面に活用できる潜在能力を持ったすごい通信システムであるということです。

いつから始まる?

日本では5Gの本番開始は2020年の春を目標にしています。

NTTドコモ、au、ソフトバンクの大手キャリア3社は2019年に試験的なプレサービスをスタートし、2020年には本格的なサービスに移行することを発表しています。また楽天は2020年にサービスを開始する予定です。

iphoneのアップルはクアルコムとのゴタゴタもようやく収まり2020年の開始には間に合うようです。

2019年のうちにプレサービスを強行するのは、2019年9月20日から始まる「ラグビーワールドカップ2019」に合わせたものであり、2020年の本格開始は言うまでもなく、同年7月24日から始まる「東京オリンピック」を意識したものと思われます。

今のスマホは使えるの?

現行の4G対応の機種では5Gの体験はできません。5Gの通信システムを利用するには5Gに対応しているスマホと回線契約が必要になります。

しかし今のスマホがいきなり使えなくなることはありません。ここ数年は4Gと5Gが並行して運営されることになります。今のスマホはこれまでと同様に使えます。

4Gと5Gの性能差をできるだけ小さくしようと4.5Gという新しい規格を作り4Gを更に進化させて対応する流れになっています。

どうしても5G体験がしたい場合には5Gのスマホに買い替えることになりますが、注意しなければならないことがあります。

5Gスマホに買い替える時の注意点

5G対応のスマホ本体は分離プランの導入により価格が4Gに比べて2~3割高くなると言われています。通信料金にしても価格が高くなることはあっても低くなることはないと思われます。多額の設備投資が行われているからです。

また2019年6月の現時点では、5G対応のアプリがまだ充実しておらず、周辺の接続機器も5Gのスマホを使用するほど多くはありません。但しこの点は今後数年間で加速度的に増えてくるものと思われます。

更に現段階で5Gは基地局などのインフラの整備が不十分であり、従って5Gでは利用できない場所があり得ることになります。

5Gが予想通りのスペックを発揮するのはインフラを始めとして周囲の環境が完全に整備された上でのことになります。

以上の点を十分考慮して買い替えることです。買い替え時の判断が非常に重要になります。

おわりに

無線通信がここまでの進化を遂げることは自動車電話の1Gが開始された時には予想もできなかったのではないでしょうか。

5Gの大容量高速通信性や超遅延性、多数同時接続性という特性は、未来の産業分野の振興と発展、課題の解決に繋がる無限の潜在力を秘めています。

今や2020年の東京オリンピック中継なども、遥かに遠く離れた地球の裏側に住む人達でも5G通信で8Kの高精細な大画面テレビをリアルタイムに見ることができる時代になりました。

現在も政府の関連機関や大手キャリア間で急ピッチで5Gのための環境整備が進められていますが、2020年の東京オリンピックまでには何とか間に合って欲しいものです。