電話に出るのが怖い……、固定電話恐怖症と対応策について!

電話に出るのが怖いという話を聞くことがあります。程度の差もありますが、特に社会人一年生にこのような症状の人は多いようです。

これは固定電話恐怖症といわれています。

fixed-line-phone-image

しかし電話の応対は一種のパターン作業であり、社会人一年生の場合、いわゆる「5W1H」の処理に慣れるにつれて自信も深まり、次第に電話に出ることの恐怖感もなくなりやがて解消するのが普通の流れです。

入社したばかりで固定電話恐怖症気味の社会人一年生が、電話にうまく出られず、それを深刻に悩み上司に相談したところ、すべてを察した上司の対応策は見事なものでした。

本稿では感動的なこの上司の対応策をご紹介するとともに、本稿により現在、固定電話恐怖症でお悩みの人が改善のためのヒントを得られましたら幸いです。

はじめに固定電話恐怖症とはどのようなものなのでしょうか。

固定電話恐怖症とは

恐怖感から電話に出ることができない症状をいいます。以下に固定電話恐怖症の症状と要因について解説します。

固定電話恐怖症の症状は

会社であれば固定電話に出るのが怖いと感じ、電話に出ることができない症状をいいます。

電話が鳴るだけでも大きなストレスを感じ、人によっては動悸や冷や汗、手や身体の震えなどが発症する場合もあります。

程度の差もありますが、会社の場合仕事に支障をきたします。自分の会話が同僚に聞かれているような職場環境においてはなおさら恐怖感を抱く人もいます。

固定電話恐怖症の要因は

固定電話恐怖症を引き起こす要因として以下のことが挙げられます。

過去のトラウマ

過去のトラウマ説として、以前になされた電話応対の際のクレームや心無い暴言によるトラウマが深刻なダメージとして心に残っていることからくる。

性格的要因

常に自分の側に非があると考えがちなことからくる。性格的に責任感が強く、良心的な性格の人に多いといわれます。

環境的要因

環境が変わった社会人一年生に多くみられます。

社会人として電話応対をしなければならない時にそのやり方が未熟で不慣れであることから発症し、対応のまずさからトラウマを背負い込みさらに深刻な症状に陥る。

こうした場合電話応対の基本をマスターし、電話応対の経験値を上げることで比較的早期に固定電話恐怖症から解放されると考えられます。

では熟練するにはどうすればよいのでしょうか。

電話応対に熟練するには

電話応対に熟練するためにはどのような方法があるのでしょうか。

それにはまずは「5W1H」の処理になれることが必要です。その上で受話器から逃げるのではなく、受話器に向き合う姿勢が大切になります。

5W1Hって何?

「5W1H」という言葉は聞き覚えがあるかも知れませんが、情報を構成している要素のことです。

英語で「W」から始まる5つの単語と、「H」から始まる1つの単語のことを指します。

すなわち、「いつ(When)」、「どこで(Where)」、「だれが(Who)」、「なにを(What)」、「なぜ(Why)」、「どのように(How)」という意味になります。

通常、「情報」は、最大でもこの6個の単純、明快な要素によって構成されています。

まず第一にこの6個の要素をきちんと理解し記憶することです。受話器から流れてくる情報を分かりやすく正確に伝達するためのポイントとなります。

常にイメージトレーニングをする

「5W1H」の処理方法を常にイメージトレーニングして自己訓練を積むことです。電話応対の場合、流れてくる情報を一瞬で処理しなければなりません。

慣れないうちは「誰が」「何を」「どうした」という単純な構成で情報を分析できるようになることです。

話の内容を一瞬のうちに分析しなければなりません。受話器での通話は一瞬で終わるからです。しかし難しく考えることはありません。このような動作は赤ん坊の時から私たちは日常で訓練されています。

具体的な訓練法としては、TVなどのニュースを聞いて一瞬で「誰が」「何を」「どうした」ということを頭の中で思うのではなく、実際に口に出すことです。慣れるに従って「いつ」や「なぜ」、或いは「どのように」という要素を増やしていきます。要素は上記の6個以上増やす必要はありません。

聞き取れない時の対処法

電話恐怖症の人にとって本稿はとりわけ重要です。

相手の話の内容や名前などが聞き取れない場合、その旨を相手に伝え、再確認をお願いする丁寧な文言を予め数パターン準備しておくことは必須です。聞き取れないまま、理解できないままに応答を続けていくことはNGです。

例えば「大変申し訳ありませんが……」、或いは「恐れ入りますが、もう一度お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」、さらに「ご主旨は……ということでお間違いありませんでしょうか」という具合の「再度確認用のパターン」を作成しておくことです。

こうした準備がないと、適切な言葉を返せなくて相手から心無い暴言を受け、そのことがトラウマとなり益々電話恐怖症の症状が重くなったりします。固定電話恐怖症の多くの原因となるところです。

相手の話が聞き取れない場合、自分に非があるのではなく相手の話し方に問題がある場合も多々あります。聞き取れないものは聞き取れないとして、堂々と相手と交渉するような心の強さを身に着けたいものです。

おわりに・上司の見事な対応策

固定電話恐怖症は精神面の症状です。一つずつ「自信」を積み重ねていくことで確実に改善に繋がっていきます。

本稿をリサーチしていく中で、SNSに感動的な話が見つかりました。その投稿は、当時社会人一年生であったと思われる投稿者が後年その時の回想を綴ったものでした。

おそらく、その時入社したばかりで固定電話恐怖症気味の新入社員だったのでしょう。電話にうまく出られず、それを深刻に悩み、上司に相談したようでした。

すべてを察した上司の対応策は見事なものでした。

以下にご本人の投稿を挙げます。

生涯でこのような上司に出会った人は幸運です。

固定電話恐怖症の特効薬は、受話器に立ち向かおうとする強い意志を持つことと、動作や対応の一つ一つに「経験」と「自信」を着実に積み重ねていくことであると考えます。