今日はリンパのお話です。
リンパマッサージのエステサロンに行った複数のモニターさんから、とにかく痛かったとか、あざができたといった感想を聞きました。
そこで体験者の口コミなどを調べてみますと、翌日になってふくらはぎや太ももが痛くなったとか、下痢をしたなどという話まで出てきました。
なぜリンパマッサージ後にこのような症状が出るのか、この疑問について調べていく内に、これらの症状は体の好転反応の一種ではないかと思い至りました。
本稿ではリンパマッサージで痛みやあざができるのは好転反応と関係があるのかどうか調べてみました。
はじめによく耳にする言葉「リンパ」ということから解説します。
リンパとは
リンパとは一連のリンパ液の流れと働きのことを言います。リンパ液は血漿成分から成る黄色の液体で毛細血管から浸出し、身体中を回っている液体のことです。
血漿「けっしょう」は血液を構成する約55%の液体成分をいい、残りの赤血球、白血球、血小板といった血球成分とともに血液を構成しています。
血漿中にはアルブミンとグロブリンからなるタンパクやNa、Caなどの電解質及びビタミンなども含まれています。
いわゆるリンパ液というのは血液中の成分が毛細血管の末端からにじみ出た組織液の一部のことなんですね。
ではこのリンパの効果についてみてみましょう。
リンパの主な効果は?
リンパは結果的には身体の代謝を活発にして自然治癒力を活性化させます。
リンパ節の免疫細胞がリンパ液内の代謝によって生じた老廃物や侵入したウイルス、及び有害な異物を攻撃し、きれいな体液にろ過して最終的には血液に戻す働きをしています。
リンパの働きが下水道の役割をしていると言われている所以です。
このリンパの流れを活発にすると身体の新陳代謝が高まり美容効果が期待できることになります。エステのリンパマッサージはこうした考え方が基本となっています。
リンパ液の流れ
動脈の毛細血管から浸出した血液の一部は各組織に酸素や栄養素を運び終わると今度は静脈の毛細血管の微細な先端細胞から侵入して静脈血流として心臓に戻る流れに入り込みます。
このとき一部の体液は細胞から出た老廃物やウイルスなどの異物とともに毛細リンパ管の先端細胞膜から入り込みリンパ液となります。
こうして毛細リンパ管に入り込んだリンパ液は次第に合流して太くなり集合リンパ管、主幹リンパ管となって出口に向かい、最終的には静脈と合流します。
リンパ管には半月弁と呼ばれる逆流防止弁がありますが、血管と違い心臓のようなポンプがありません。そのため常に一方の方向にのみ流れ、その動きは遅々としており、時には停滞します。
リンパ液は次第に合流していく過程で、特定の合流部分にそら豆状のリンパ節という免疫細胞が集まっている場所があり、ここで有害物質や細菌などを攻撃、撃破してきれいな状態になって静脈と合流します。
以上が一連のリンパ液の流れになりますが、ではリンパマッサージの後にどうして様々な症状がでるのでしょうか。
実はマッサージや鍼灸の世界では、この施術後の不具合については起こるのは当たり前として認識されていました。好転反応と呼ばれています。
好転反応って何?
ここで好転反応というあまり聞き慣れない言葉が登場します。もともとは東洋医学から来た按摩や鍼の世界で使われる言葉です。
調べてみますと治療の過程で一時的に起こる身体反応を意味し、体が自ら自然治癒力により回復していこうとする体の前兆反応ということでした。
湿疹、目やに、むくみ、たるみ、あざなどで肌に出たり、下痢や腹痛、胃痛など消化器系や排泄系に出たり、だるさや倦怠感として現れたりもするようです。
この反応が続く期間はおよそ3~5日位と言われています。人によっては繰り返しがあっても次第に軽くなり好転していくとされています。
リンパマッサージ後にこのような症状が出たら、まずは慌てずに様子をみることです。その際もよほど症状がひどい場合とか、我慢はできるけれども数日経っても症状の改善がない時には専門医の診察を受けるべきでしょう。
おわりに
今回は「リンパの仕組み」とマッサージ後の「好転反応」ということについて調べてみました。リンパマッサージ後の痛みやあざでお悩みの時にヒントになれましたら幸いです。
リンパマッサージ後の痛みやあざが良い意味での好転反応であれば良いのですが、時折未熟な施術により患部が炎症を起こしてトラブルが発生します。
これは悪い意味での「揉み返し」であり、その可能性もありますのでそのへんの見分けが重要です。
今やリンパマッサージのエステサロン業界はどこでも競争が激しく、廃れる気配もありません。それだけ効果も期待できるということなのかも知れません。
施術を受けられる際のポイントとしては価格面以外にも、施術者の技術的な点や実績、評判などもリサーチしてサロンを選択されると良いかと思います。