2018年の暮れに掲載しました記事、「蕁麻疹の激しいかゆみを抑える方法!」という拙文に、ほぼ毎日のようにたくさんの方々が訪問されています。
これにより多くの人が蕁麻疹のかゆみに悩まされていることを知りました。本稿はこの解決策のヒントになればと、新しいかゆみの対処法をご紹介します。
蕁麻疹のかゆみ対策は、かゆみの発作が始まってしまってからの対応では苦痛も大きいので、かゆみの発作が始まる前に、予兆を察知し事前に防ぐという考え方が良いかと思われます。
本稿では蕁麻疹の発作の予兆とはどのようなことなのか、また発症してしまった場合のかゆみへの対処について、別項とともに新たな検証を加えてご紹介していきます。
かゆみを事前に防ぐとは
蕁麻疹の強烈なかゆみの発作には予兆があります。
予兆を察知した時点でステロイド剤を塗布することです。それには医師の処方による、症状に合った適切な強度のステロイド軟こうを予め常備しておく必要があります。この時に自己判断で市販のかゆみ止めを使用するのはやめたほうが無難です。
ステロイド剤が効果を表すのは1時間から2時間後になります。かゆみが発症してしまってから塗布してもその時点でかゆみが止まるわけではありません。
このように事前に対処することであの強烈なかゆみの発症を阻止できます。
ではその予兆とはどのようなことなのでしょうか。
蕁麻疹の発症には予兆がある
ここでは蕁麻疹の予兆ということについてお話します。
蕁麻疹持ちの人は、着衣が肌と接触する際に多少のかゆみを感じることがあります。ここで肌を少しでも掻きむしるとそれを機にあの強烈なかゆみが一遍に発症したりします。
これとは別に特に着衣との摩擦も意識していないのに、肌の内側からじわじわと、強くはないが何やらかゆみが感じられる場合があります。これが発症の予兆と思われます。
場所は、足や手のひらの甲の部分、足の内外のくるぶしの辺り、二の腕の内側、腹部、脇腹、背中などにこの予兆がきます。
特に就寝前などにこのような予兆を感じたならば、即刻ステロイド剤などによる手当が必要です。こうした事前の手当をするのとしないのとでは、天国と地獄の違いを味わうことになります。
検証ではこのような予兆があってから30分から1時間後に本格的に強烈なかゆみの発作が始まります。皮膚にはみるみるうちに凹凸が発生します。
蕁麻疹のかゆみが発症したとき
予兆に気付かず蕁麻疹の発作が始まってしまった場合はどうすれば良いのでしょうか。
強烈なかゆみに対して、肌を掻きむしることはさらにかゆみを悪化させ、範囲を拡大させる結果になります。
睡眠時には患部を氷で冷やすことを別項でご紹介していますが、当記事ではその後の検証から、特に就寝中ではない時にかゆみの発作が始まってしまった場合の対処法をご紹介します。
それはかゆい部分に熱いシャワーを浴びせることです。シャワーの圧力と温度が重要なポイントになります。温度は47℃程度のお湯がよいでしょう。熱いほど効果があります。
患部が背中や脇腹などであれば、浴室で普通に熱めのシャワーを浴びるような感覚で患部にお湯を浴びせます。
この効果は患部を掻きむしるのと同程度の快感が得られ、実際には掻きむしっていないので、かゆみの範囲が拡大するわけでもなく、シャワーから上がるとかゆみが大きく軽減されています。
シャワーから上がったら身体の水分を拭き取り、患部に速やかにステロイド剤を塗布します。
おわりに
蕁麻疹は多くの場合、その原因は分かっていません。慢性に転移している場合は長い付き合いとなります。
その際も発作を事前に防ぐことで無用な苦痛を味わうことも無くなります。
ステロイド剤はかゆみを止め傷ついた組織を修復してくれる優れた医薬品です。5段階の強度があり使用法もあります。必ず医師の処方が必要となります。
蕁麻疹専門のかかりつけの医師を持ち、ご自身の症状をよく相談して適切な医薬品を処方して頂くことが重要です。