昨年暮れから中国湖北省武漢市で原因不明の肺炎様の症状を訴える患者が続出しています。
1月9日、中国国営中央テレビは患者から新型のコロナウイルスが検出されたことを報道しました。
そして日本国内においても16日、武漢市を訪れていた神奈川県在住の男性が新型コロナウイルスに感染していたことが確認されました。
コロナウイルスとはどのような病原菌なのでしょうか。
何よりも感染症が国内にも持ち込まれたとは怖い話です。
今日はコロナウイルスについて、どのようなものなのか、症状と予防法及び治療法についてごく簡単に分かりやすく調べてみました。
はじめにコロナウイルスに感染するとどのような症状になるのでしょうか。
コロナウイルスの症状とは?
コロナウイルスに感染すると初期症状は、風邪やインフルエンザに酷似した症状を呈し、頭痛、悪寒、発熱、咳込み、喉の炎症、重度のだるさ、吐き気、動悸、胸痛その他下痢などの消化器系の異常が認められ、ひどい時には呼吸困難に陥ります。
しかし初期症状において高熱はそれほど顕著な症状ではないという現地医療スタッフからの報告もあります。
肺炎はインフルエンザウイルスなどが原因となりますが、今回の場合検査では既知の病原菌は確認できず、WHOによると中国当局から提供されたウイルスの遺伝子情報の解析結果から新型のコロナウイルスと確認できたとのことです。
コロナウイルス自体はヒトでは風邪の原因の15%ほどを占めるとされており、それほど深刻な影響を及ぼす病原菌ではありません。従って一般的に症状も軽く済む場合が多いようです。
日本で確認された初感染の患者さんもすでに症状が回復し退院されています。
ここで新型ウイルスの脅威について解説しなければなりません。ウイルスは突然変異など何らかの要因が加わることからととんでもない脅威に変身します。
なぜ新型ウイルスは怖いの?
注意すべきはウイルスは進化を繰り返します。いったん新型ウイルスが発現した場合、どういった性質と特徴があるものなのか皆目見当がつかないところがあります。
要するに、有効なワクチンや医薬品などによる対処法が特定できないのです。今回は新型のコロナウイルスであることから油断できないところがあります。
1976年にアフリカ大陸中央部で確認されたエボラウイルスなどは最近になってようやく特効薬が開発されたようですが、初めて発症して以来、今日まで決して根絶することなく破壊力を増しながらアフリカ大陸の方々で猛威を振るっていました。
ウイルスの正体が判明しないうちは有効な医薬品も見つからず、ワクチンや医薬品の開発は後手に回ります。2003年の中国で発生した重症急性呼吸器症候群 (SARS) や2012年に初めて報告された中東呼吸器症候群 (MERS) のような驚異となる新種のコロナウイルスも存在します。
これらはコウモリやラクダなど、動物からヒトに感染したとされています。コロナウイルスはヒトの他にも動物や鳥類などにも感染し、呼吸器系や消化器系に影響を及ぼします。
厚労省結核感染症課によると、今回のウイルスは今のところ、ヒトからヒトへ感染しているような状況は確認されていないそうですが、不用意に感染しないために普段からの予防策が大切になります。
次に予防法をまとめてみました。
コロナウイルスの予防法は?
今回のコロナウイルス騒動について感染経緯については未だに特定されていません。
厚生労働省では「一般的な感染症対策をして過剰な心配をしないこと」を呼びかけています。予防法としては以下が挙げられます。
- 海外渡航など、発生場所に近づかない
- マスクの着用
- 人込みを避ける
- 石鹸やアルコールでの手洗いとうがいをこまめにする
- 生肉や未調理の食材を食べない
- むやみに動物に接触しない
以上が簡単に実行できる予防策と言えます。
このほかリサーチしていく中で、水をこまめに飲むとウイルス対策になるという予防策が見つかりました。この方法はどのような疫学的もしくは医学的根拠から出てきた発想なのか、実際に何らかの効果があるのかどうかについては、結局確認出来ませんでした。
次にコロナウイルスに感染した場合にはどのような治療法があるのでしょうか。
コロナウイルスの治療法は?
基本的に今回の新型コロナウイルスに対する治療法は確立されていません。有効なワクチンもないのが現状です。従って具体的には発熱には解熱剤、咳には咳止め薬の投与といった対症療法が主体となります。
WHOも新型肺炎については、人にどのように感染するのかは目下調査中であり、患者の治療法も現在のところ対症療法しかないとしています。
このことからも普段からの感染しないための予防策が重要になります。
コロナウイルスは犬や猫にも感染します
コロナウイルスについて、猫や犬を飼っているご家庭では注意が必要です。
猫コロナウイルス、犬コロナウイルスが存在します。それぞれ感染しても病的症状を起こすことがない弱いウイルスであり、無症状であることが特徴です。但し、猫同士やヒトを介しての接触で容易に感染します。
猫コロナウイルスは、猫同士で容易に感染し多くの猫が感染していますがごく稀に感染した猫が致死率の高い「猫伝染性腹膜炎」を発症する場合があります。
これは必ずしもすべての感染した猫が発症するわけではありませんが、ごく稀なケースとして、ウイルスの突然変異やストレスなど、他の何らかの要因が加わることで発症すると考えられています。
猫コロナウイルスに有効なワクチンはありません。
また、犬コロナウイルスが犬の消化器系に感染すると犬コロナウイルス性腸炎を引き起こします。子犬の場合は下痢や嘔吐など、重い症状が見られる時がありますが、成犬の場合には感染していてもほとんど症状は現れません。
犬の場合感染予防には、混合ワクチンの接種が有効とされています。子犬のうちから必要な回数のワクチンを接種するとよいでしょう。
おわりに
今回のリサーチでは、コロナウイルス自体は通常の風邪の原因菌であり、それほど重大な脅威となるような病原菌ではないことが分かりました。
但し新型コロナウイルスについては、以前猛威を振るった重症急性呼吸器症候群 (SARS) や中東呼吸器症候群 (MERS) の例もあることから注意しなければなりません。
17日現時点において、中国武漢市当局の発表では、41人の発症者に対して、そのうち重症は5名で死者は2名、退院者は12名ということです。
2名もの死者が出ていることに注目すべきですが、感染者数が41名と増えていないこと、更に12名の退院者があることに救われる気がします。しかし、新型ウイルスであることから今後の展開については油断できないところがあります。
※2020年2月1日 コロナウイルスのその後