硬水と軟水の違いと特徴、体にいいのはどっち?

硬水と軟水の違いは何なのか、体にいいのはどっちなのか、ミネラルウォーターと水道水はどう違うのか、などと聞かれた時に、これらの言葉の指す意味が今ひとつ曖昧ではっきりしません。

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今日はこのあたりのことを一通り調べてみました。普段あまり気に留めてはいませんが、日常大変お世話になっている「水」のお話です。

硬水と軟水の違いと特徴、そして結局体にいいのはどっちなのかまとめてみました。

硬水と軟水の違いは何ですか?

硬水と軟水の判断基準は国によって違います。水の中に含まれているカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分の含有量は硬度と呼ばれていますが、日本では、水1Lに対して100mg以上含まれている水を硬水、100mg以下の水を軟水として分類しています。

日本の場合九州や四国の採水地では比較的ミネラル分が多いようですが、それ以外の地域ではほとんどが軟水です。

平成25年度の東京都の水質検査結果の平均値は64.6mg/Lが記録されています。ごく標準的な軟水になります。

参考までに世界保健機関(WHO)では、硬度が60mg/L以下の水を軟水として、それ以上は硬水として分類しています。日本よりは比較的に細かい分類です。

一般的に硬度が高いと苦味のあるしつこい味になり、低いと癖のない味になると言われています。この味わいの違いは微妙ですが、分かる人にははっきりと分かるようです。

カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分は5大栄養素の1つとされていますが、栄養補給の観点から見ますと、硬水に含まれている程度の含有量では全く論外で、栄養補給という役目は果たせません。

ミネラル分の栄養補給はやはりほうれん草をはじめとする緑黄色野菜や、豆類、魚介類など、食事から摂取しなければなりません。

ミネラルウォーターと水道水の違いは何ですか?

ところでミネラルウォーターという言葉をよく聞きます。水道水とどう違うのでしょうか。

ミネラルウォーターとは鉱泉水とも呼ばれボトル入りの飲料水のうち地下水を原水とするものを言います。

原水とは浄水処理がなされていない天然水のことです。したがって水道水はミネラルウォーターとは言いません。

水道水と違う点はボトル詰めされていることと、地下水が原水であることです。日本で生産されるミネラルウォーターは軟水がほとんどです。

ヨーロッパでは地質的に石灰岩地帯が多く、水は硬水で水道水も美味しくなく、そのため17世紀あたりから美味しい地下水を瓶詰めにして販売されるようになり、それがミネラルウォーターの起源とされています。

硬水と軟水の上手な使い方!

水の使い方といえばやはり料理のことになります。この2種類の水を使い分けると美味しい料理が可能です。

硬水と軟水には基本的に以下のような特徴があります。

硬水の特徴・ミネラル分を含む

●素材の成分と結びつく
●アクを出す
●アクを抜く
●食物繊維と結びつき素材を固くする

軟水の特徴・ミネラル分はごく微量

●素材の成分と結びつかない
●水分が十分素材に浸透する
●ふっくらと仕上がる

このような性質を踏まえて料理に用いることです。

シチューなど肉類の煮込み料理には硬水が適しています。硬水はカルシウムが肉類などのタンパク質に作用し煮込む際にアクを抜く働きをします。但し煮込みすぎると肉が固くなります。

野菜類の煮込み料理やスープ類には軟水が合います。ミネラル分が少ない分アクとならずに野菜に浸透し柔らかく仕上がります。逆に硬水を使うとアクが発生します。

ご飯は軟水で炊くとふっくらと出来上がります。硬水だと食物繊維を固くするので、炒飯などのようにパラパラとさせたい時には硬水が適しています。

また和食のだし汁などは軟水に限ります。硬水だとグルタミン酸やイノシン酸、グアニル酸など素材の折角の旨味成分が出ず、逆にアクが出ます。

硬水と軟水では体にいいのはどっち?

結局、単に水を飲むためならば軟水が体には優しいと言えます。赤ちゃんにも普通に与えられます。日本の水道水は飲むには美味しい軟水です。

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硬水はマグネシウムやカルシウムが含まれているので毎日あまりにも大量に飲み続けると代謝の関係で腎臓に負担がかかります。またマグネシウムの作用でお腹が緩くなったりします。

ただミネラル分の含有量は極めて微量なので体質に合うのならば普通の分量であれば気にする必要はありません。硬水の味が好みで毎日飲んでいる人はたくさんいます。

その他にも、調理などに用いる時には両者のメリットが出るような使い方をすると良いでしょう。

おわりに

水には心を落ち着かせる働きがあるそうです。

講演のための壇上にペットボトルの水が準備されているのは、単に喉の渇きを癒やすためばかりではなく、心を落ち着かせる意味もあるのかも知れません。

心がイライラしたり、集中できない時にはコップ一杯の水を飲むといいかも知れません。

今日は硬水と軟水のお話でした。