健康な爪の色は薄いピンク色をしています。
何の心当たりもないのにふと見ると、足の爪が紫色に変色していることがあります。
これは一体どういうことなのでしょうか。何か悪い病の兆しではないかなどと気になるところです。
本稿では足の爪の変色について調べてみました。
足の爪が紫色に……
手の爪ならばすぐに異常に気付くのですが、足の指となると普段注意を払いません。痛くも痒くもなく自覚症状がない場合はなおさらです。
こうした場合、緊急性はないとしても確かに気になります。爪に線が入った、反った、剥がれたということは時折耳にします。
しかし爪が紫色に変色するとはどういうことなのでしょうか。
これはチアノーゼが爪に起こった状態です。次項ではチアノーゼについてお話します。
チアノーゼとは
赤血球は各組織に酸素を運ぶ役目をしており、その中は酸素と結合するヘモグロビンというタンパク質で満ちています。
血液中でヘモグロビンは酸素を背負い込んで各組織に運搬します。組織に到着して酸素を配達し終わったヘモグロビンは荷台が空の状態になります。
この酸素と結合していない空の状態のヘモグロビンを「還元ヘモグロビン」といいます。
この「還元ヘモグロビン」が毛細血管内の血液、100ml中5g以上増えることでチアノーゼという状態が起こります。
チアノーゼとは組織が酸素不足により赤紫色に変色した状態です。
なおチアノーゼは組織の変色した「状態」を指し、「病名」ではありません。
チアノーゼの種類
チアノーゼには末梢性と中心性の二種類があります。
手足の末端、指、爪など局所に現れるチアノーゼを言います。
寒さによる末梢血管の収縮や一時的な圧迫などにより末梢の血流循環が阻害された時に起こります。さらにショックや緊張という精神的な要因によっても起こるようです。
末梢性チアノーゼが爪に起こった場合、身体的な自覚症状はなく大抵は足の親指に来ます。
爪の症状が関係するのはこの末梢性チアノーゼのみになります。
口や舌、顔面の中心部、腹腔や背中側も含む胴体の中心部に現れるチアノーゼを指します。
呼吸機能障害や高地に居住することによる肺の酸素分圧の低下、長時間の飛行機旅行による低酸素、精神的ストレスなどでも発生するようです。
どちらかというと中心性チアノーゼの方がリスクも大きく、専門的な手当を要する場合が多いようです。
特に乳幼児の顔や唇が紫色となる「中心性チアノーゼ」が改善せず続くような場合は循環系や呼吸器系に異常があるかも知れません。
中心性チアノーゼは主に肌に現れる場合ですが、本稿のテーマである爪の変色に話を戻します。
爪の診察は何科ですか?
爪の症状に関する診察は基本的に「皮膚科」になります。
爪の変色は末梢性チアノーゼであり、自覚症状もない場合あまり気にする必要もないようです。
ただ履き慣れないハイヒールや靴で足の指を傷めたとか、思い当たる事があればその原因を解決する必要があります。
痛みとかよほど具合が悪い時には医師に駆け込むわけですが、その手当は痛みや炎症、感染の防止という対症療法の意味合いが強いようです。
基本的には患部の状態を注意深く観察することになります。
程度によっては爪が抜け落ちるかも知れませんが、爪は再生します。元通りきれいな爪になります。
まとめ
今回は足の爪の変色について調べてみました。
結局何が原因でチアノーゼが起こったのか思い当たることがなくても、案外その原因に気付いていないか、或いは忘れているだけかも知れません。必ず原因はあるはずです。
本稿のまとめとしては、末梢性チアノーゼが爪に来た時に特に自覚症状がなければ、経過観察に徹して、深刻に思い悩む必要はないようです。時間は掛かるとしても自然に元通りのきれいな足の爪に修復されます。
なおチアノーゼは赤ちゃんが比較的発症しやすいと言われています。
いざという時は医師に頼るとしても、自分自身が動揺しないためにも小児看護の知識も普段から身に付けておくことも必要かと思います。