どくだみってご存知ですか。よく野山や庭先で見かけますが、あの春になると白い花を咲かせるどくだみのことです。
どくだみ茶で有名ですが、このどくだみが肌に良いようなんです。
中にはどくだみの葉で化粧水を作る人もいて、敏感肌やアトピー肌にも効果があるそうです。
本稿ではどくだみが肌に良いというのは本当なのか、その成分と共に調べてみました。
でははじめにどくだみの薬効からご紹介します。
どくだみの薬理成分
どくだみはコショウ目に属しドクダミ科ドクダミ属に分類されます。
なんと、どくだみは「十薬(じゅうやく)」という名前の生薬として日本薬局方に収録されているれっきとした「薬」だったんです。
この名称は消炎、殺菌、利尿、解毒作用など10種類の薬効があるとされることに由来しています。
ではどくだみの薬理的な成分を挙げてみます。
- デカノイルアセトアルデヒド
ドクダミの臭気成分でウイルスや細菌に対して強力な抗菌、殺菌、解毒作用を持ち更に抗カビ性にも優れている。
- ラウリルアルデヒド
これもドクダミの臭気成分で、デカノイルアセトアルデヒド同様に抗菌、殺菌、解毒作用を持ちます。
- クエルシトリン・イソクエルシトリン
利尿、殺菌、消炎、解毒作用の他に血圧降下作用、毛細血管強化作用、動脈硬化の予防及び新陳代謝活性化作用が確認されています。従ってニキビやアトピーなど皮膚の炎症に有効とされています。
- カリウム塩、ミネラル、カルシウム、マグネシウム、鉄分、亜鉛、ビタミン類
どくだみに一番多く含まれるカリウムにも体内の毒性物質や老廃物を体外に排出する解毒作用があります。その他利尿作用等。
上記アルデヒド系の二種の成分はフィトンチッドと呼ばれる揮発性の成分を発することから、あのどくだみ特有の臭いがします。
これらの成分は総合的に作用しデトックス、整腸、PMSの症状軽減作用などの効果が認められます。
フィトンチッドとは
「フィトンチッド」とは樹木が傷ついた際に放出する揮発性の化学物質で、1930年代に傷ついた樹木の皮が細菌に侵食されずに自然に回復していくことを不思議に思った旧ソ連の科学者によって発見されました。
フィトンチッドは解明されている成分だけでも130種類以上あり、殺菌力や代謝作用と共に精神面に不思議な安らぎと活力をもたらす香り成分です。
典型的なものに森林の樹木が放つフィトンチッドがあります。森林にはこのフィトンチッドが満ちていると言われています。
どくだみの臭いもこのフィトンチッドの一種と考えられます。元来樹木や植物がカビや微生物、虫などから身を守り、それらを寄せ付けないために放出しており、現代になってその薬理的な効果がようやく解明され出したところです。
これはポリフェノールやイソフラボンなどで知られている、第七の栄養素ファイトケミカルとも関連する薬理的な成分です。
どくだみの副作用
どくだみの副作用についてはどくだみ茶による高カリウム血症や下痢が報告されています。
どくだみにはカリウムが多く、カリウムは腎臓で処理されるため過度に飲みすぎると腎臓に負担がかかり、腎機能の弱い人は注意が必要です。
またお腹がゆるくなるのはクエルシトリンという成分が関与しているようです。これは逆にお腹が滞りがちな人には良い方向に作用します。
しかしどくだみ茶など、あの独特な味わいを好む人は少なくありませんが、あまりにも過度な摂取は避けたほうが無難と考えます。特にどくだみのように薬理作用の強いものについては注意しなければなりません。
まとめ
今回のリサーチでは、どくだみは確かに肌には良いかもしれないと思いました。何らかの薬効が認められるために生薬として定着してきたわけです。
あの特有の臭いは加熱すると和らぐので食用にもなり、山菜として葉の部分を天ぷらにして賞味したら上品な味と香りが楽しめたという話もありました。
ベトナムでは魚料理には欠かせない香草で生食されるそうです。ただし日本のどくだみとは種が違うようで、それほど臭いはきつくないようです。
どくだみによる化粧水作りに凝った人は栽培からこだわってどくだみを育てるようですが、肌に良いのであれば化粧水を作るという発想もうなずけますし、それなりの効果も期待できるかも知れません。