ハーバリウムで使われるあの神秘的な液体の成分は…?

ハーバリウムというものをご存知でしょうか。
ハーバリウムは居室や応接間などに飾る小型のインテリア雑貨です。

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透明の液体で満たされた瓶の中に鮮やかな色の花などが飾られており、それが適度に屈折されて大きく見えると、その標本はまるで生きているかのようにみずみずしく輝き、見る目を楽しませてくれるという観賞用のアイテムです。

これが家庭で手軽に作ることができて、しかも飾る花や植物それぞれの個性を自在に表現できることから人気を博しています。

実はあの瓶の中の神秘的な液体については以前から気になっていました。

あのようにきれいに仕上がるからには液体の果たす役割も大きいはず、いったいどんな液体を使っているのでしょうか。

本稿ではハーバリウムで使われるあの神秘的な液体の成分について調べてみました。

ハーバリウムで使われる液体は?

ハーバリウムで使われているのはオイル(油分)でした。

大別するとミネラルオイルとシリコンオイルです。

ミネラルオイル系にはベビーオイルあるいはワセリン、流動パラフィンが使用されます。それぞれ長短があります。

どちらを使うとしてもオイルを選ぶ際にはいくつかのポイントがあります。

これはハーバリウムを鑑賞する際にあの感動的な屈折率とか透明度、あるいは瓶の中での標本の落ち着き具合を確保するために必要なことになります。

作品の出来具合はこのオイル選びで決まるようです。

オイル選びのポイント

オイルを選ぶ際には次のことがポイントになります。

  • 屈折率
    一般のソーダガラスの屈折率は1.512ですが、この値に近い程オイルとガラスに一体感が出ます。ガラスの中に花が入っているという印象になります。ミネラルオイルは約1.48でシリコンオイルよりは比較的屈折率は高く、よりガラスとの一体感を出せます。
  • 流動点
    液体の低温流動性を示す数値のことで固まる寸前の温度のことです。固まるとは濁ることを意味します。

    ミネラルオイルはマイナス10度以下で濁り始めますがシリコンオイルはマイナス50度まで持ちます。このことから極寒の地ではシリコンオイルの使用がオススメになります。

  • 色落ち度
    油性の色素が使われている標本は色素がオイルに溶け出します。どちらかというとミネラルオイルの方がシリコンオイルよりは色落ちしやすいです。

    従ってシリコンオイルの方が多少長持ちするということになります。

  • 比重
    比重はセ氏4度の水との質量を比較した値になります。この数値が低いと中の標本が沈みやすく高いと浮き上がりやすくなります。

    ミネラルオイルの方がシリコンオイルよりは比較的比重が低く、標本は瓶の中で沈み安定します。

  • 引火点
    オイルは油であり一定の温度で発火する危険物です。引火点が250度以上の物は消防法上の危険物から除外され、貯蔵や取扱いにおける規制が緩和されます。

    引火点が250度以上、できれば300度以上のオイルを選ぶことです。シリコンオイルの引火点は300度で、ミネラルオイルの200~270度より高く比較的安全です。

    しかしある容量を超えて貯蔵する際には自治体への届け出が必要な場合があります。

ハーバリウムのオイルが発火したという事故は聞いたことがありませんが、オイルは危険物であるということと、貯蔵にはルールがあることをご記憶頂ければ幸いです。

オイルに関するポイントは以上になりますが、これだけ踏まえておきますと、きっと良い作品が出来上がると思います。

オイルの捨て方

LEDライトが備わった発光タイプの瓶も発売されており、一層充実してきたハーバリウムですが、花以外にももっと素敵な標本が見つかるかも知れませんね。

それでは最後にオイルの捨て方をお話いたします。

ハーバリウムのオイルが不要になりましたら、普段の料理に使用した油を処分するのと同じやり方で済ませられます。

使わなくなった新聞紙などにオイルを含ませて紙袋なりポリ袋に入れて燃えるゴミとして出せばよいそうです。

その際に凝固剤を使うと手を汚さずに済みますし、他にももっと良い方法があるかもしれません。