飛蚊症とは物を見る際に視界の中にぼんやりとしたゴミのようなものや糸くず状のものが浮遊しているために、見ようとするものがそれらが邪魔になってきちんと見ることができない症状のことをいいます。
このとき眼の外観に異常はなく痛みもありません。 このような症状はそのまま放置して良い場合と、速やかな治療が必要な場合があります。
前者は加齢により起こる「生理的飛蚊症」であり飛蚊症の大部分を占めていますが、この症状が危険な病のシグナルとして発症しているケースがあり、これを「病的飛蚊症」といいます。
本稿では飛蚊症の治療法とレーザービトレオライシス療法について調べてみました。
飛蚊症の注意すべき点は?
飛蚊症には「病的飛蚊症」と「生理的飛蚊症」があります。飛蚊症の症状を感じたらまずは眼科を受診するわけですが、現在の症状がどちらに属するかの判断が重要になります。
病的飛蚊症
注意すべきは「病的飛蚊症」です。危険な病のシグナルである可能性があり時には失明に至る場合もあるからです。
そのため飛蚊症の症状を感じたらまずは眼科を受診して網膜円孔や裂孔の有無など、精密検査を受けることになりますが、ここで重い病が見つかる場合があります。
以下に「病的飛蚊症」の特徴的な自覚症状を挙げます。
●視界のゴミが急激に増大している
●物が霞んで見える
●眼が痛い、吐き気や頭痛がする
●視界の一部が見えず、欠落している
●暗闇で光が走る
飛蚊症の初期の症状にこれらの自覚症状がある場合は、各種感染症、網膜剥離、ぶどう膜炎、血管新生緑内障などの重い病のシグナルである可能性が高く、緊急に医師の判断を仰がなければなりません。
特に高血圧や糖尿病の人、顔面にボールが当たったなどの衝撃の直後には注意が必要です。
生理的飛蚊症
精密検査の結果、「生理的飛蚊症」と診断されたなら、過度に思い悩む必要はありません。
多くの人が発症する症状です。特に加齢からくる場合が多く、その他ストレスや目の疲れなどによっても発症するとされています。
眼の中にある硝子体という半透明なゼリー状の物質が変化してできた濁りによって、黒い点がちらついたり、糸くずのようなゴミや、虫のような影が視界に写る症状です。
多くの場合、治療の必要もなくそのまま経過観察になりますが、日常生活や仕事に支障をきたすほど重症の場合には、内服治療やレーザー治療が施されます。
現在では飛蚊症の治療法として、速攻で効果が期待できるレーザービトレオライシス療法が挙げられます。
レーザービトレオライシス療法
飛蚊症の治療法にはレーザービトレオライシス療法が確立されています。
■レーザービトレオライシス療法
レーザービトレオライシス療法は、眼の中のゴミにレーザー光線を照射して分散・破砕することで症状を改善する方法です。
メスを用いる手術による飛蚊症治療に比べてリスクは遥かに少なく、入院の必要はありません。治療時間は20分程度で終わり、日帰りができます。
治療前に麻酔のために点眼し、その後にレーザー治療用のコンタクトレンズを装着してからレーザー光線を照射する流れになります。
治療直後に小さな黒点が見えることがあっても、これはレーザー照射により発生した気泡でありすぐに消失します。
ただし、1回で完全に除去できるわけではなく、2回目、3回目の治療が必要な場合もあります。 最終的には視界は問題なく改善されますが、飛蚊症そのものの完治ということではありません。
■料金の目安はどのくらいですか?
料金は健康保険適用外の自由診療となり、片目で10万~20万円、両眼ですとこの倍となります。この他に手術に関わる費用はすべて自費となります。
なお2回目、3回目の料金については数万円程度に割り引かれる場合もあり、確認が必要です。
このレーザービトレオライシス療法については、ほぼ7割以上の人がこの治療方法に満足しているそうですが、費用が高額であることや、まれに痛みが残ったり、術後の経過が良くないケースもあり得ます。
リスクは比較的少ないとしても完全にノーリスクではないので、担当医師ともよく話し合う必要があります。
まとめ
飛蚊症は症状が現れたら自己判断をせずにまずは専門医に受診することです。
「生理的飛蚊症」であれば問題はないものの経過が思わしくなく、医師の判断に納得できない場合にはセコンドオピニオンに当たってみることも選択肢となります。
レーザー治療は高額ですが、治療の即効性、確実性を求めるならばやはり最適かもしれません。
症状の重篤度、治療を受ける医療機関の設備、施術者の技量、料金及び想定されるリスクなどについて十分納得した上で選択すべきです。