ふるさと納税とはどのような仕組みなのかご存知でしょうか。
この制度は利用者の間では大きな賑わいを見せていますが問題点もあります。ネット上を見ると、ふるさと納税について詳細に説明している専門サイトがたくさんできています。
ふるさと納税を知りたいけれども、納税に関することなので面倒な思いが先に立ちなかなか踏み込めなかったり、
知りたいけれども時間が無かったりという人のために、本稿ではふるさと納税の仕組みと問題点を出来るだけ分かりやすくまとめてみました。
ふるさと納税の仕組み
ふるさと納税制度の発案は2006年に始まります。
その仕組みは通常、収入が発生するとその時に居住している自治体に住民税と所得税を納めなければなりません。
その際に任意の地方自治体に「寄付」という形でふるさと納税をしていますとその寄付の金額から2000円を差し引いた分、現在居住している自治体に納める所得税や住民税が納税時に減額されるという制度です。
同時に寄付をした自治体からは金額に応じて地方の特産品などが返礼品として贈られて来ます。従って寄付する側としては返礼品を頂ける分メリットが有るというわけです。
任意の自治体とは出身地や生誕地など関わりのある自治体に限定されません。興味のある自治体であれば全国どこでも選べます。
また税控除のための手続きや年収額から算出される寄付の限度額など一定の条件がありますが、寄付ができる自治体は1ヶ所にとどまらず基本的に無制限に寄付が可能です。同一年度に50ヶ所とか60ヶ所に寄付したという人もいます。
ふるさと納税の問題点
ふるさと納税の本来の目的は過疎などにより税収が落ち込み苦悩する自治体の救済と地方自治体間の収入の格差を是正することにあり、そのために発案された制度です。
しかし、実際にふるさと納税制度が始まると、寄付を受けた自治体の中には寄付額に応じてその地方の特産品などを返礼として贈るところが出始め、
次第に多くの自治体が返礼品リストを作成するなどして寄付を呼び込もうとするようになりました。
寄付をする方も返礼品が目的で自治体を選び寄付をするようになっているのが現況です。
しかも現在では返礼品の内容も米や果物、野菜、肉、魚介類といった地方特産品のみならず旅行チケットやパソコンなどの家電品まで幅広く揃っており、自治体間で寄付を競い合うようになってしまいました。
政府もこのような状況を憂慮し返礼品は自粛し、寄付額の3割までとするようなガイドラインを設けたりしましたが、なかなか守られそうもないのが現状です。
2018年において苦慮した政府は、過度な返礼品を贈る自治体をふるさと税制の対象外とするような方針を固めています。
更にもう一つの問題点は仮にある特定の自治体の住民が極めて高額な寄付を別の自治体にふるさと納税をした場合、その住民の属する自治体の負担が増大します。
寄付の金額にもよりますが、こうした可能性がある以上は対応策をまとめておくことも必要かと思います。
おわりに
本稿ではふるさと納税の仕組みと問題点についてできるだけ分かりやすくまとめてみました。
本来は過疎などにより税収が落ち込み苦悩する自治体の救済と自治体間の収入の格差を是正しようという目的のふるさと納税制度ですが、メリットが無ければ行動は起こさないという人間性の現状からなかなか難しい問題をはらんでいます。
メリットを削ってしまうと寄付をする人がそもそもいなくなるし、かといって放置しているとますます自治体間の競争がエキサイトすることになります。
この辺りの調整を如何にするのかがこれからの課題と言えましょう。