今日のテーマは「湯桶読み」と「重箱読み」
「湯桶読み」という言葉の意味はご存知でしょうか。
はじめに「箸食」という言葉の読み方を調べていたところ、この字は「湯桶読み」で(はししょく)と読む、という答えに出合いました。
ところが今度は「湯桶読み」という言葉の意味が分かりません。「湯桶読み」は関連語句に「重箱読み」があります。
今回は「湯桶読み」と「重箱読み」という言葉の意味について分かりやすくまとめてみることにしました。
はじめに「湯桶読み」と「重箱読み」、この二つの言葉の意味と見分け方からお話していき、さらに訓読みと音読みの見分け方にも触れていきます。
「湯桶読み」と「重箱読み」の意味
- 「湯桶読み」(ゆとうよみ)
「湯桶読み」とは二文字から構成される単語の最初の一文字を訓読し、後の漢字を音読するような読み方のことです。訓読 → 音読、といった読み方をします。例えばこの湯桶という漢字の読み方をいいます。最初は 湯(ゆ)で訓読みですが、後の方の漢字は 桶(とう)と音読みになっています。
次にこの「湯桶読み」の対義語、反対語の関係にありますのが、「重箱読み」になります。
- 「重箱読み」(じゅうばこよみ)
「重箱読み」は二文字から構成される単語の最初の一文字をこんどは「湯桶読み」と反対に音読し、後の漢字を訓読するような読み方を言います。音読 → 訓読、といった読み方をします。例えばこの重箱のような漢字の読み方をいいます。最初は 重(じゅう)で音読みですが、あとの方の漢字は 箱(ばこ=はこ)と訓読みになっています。
つまり二文字の漢字のうち最初の読みが訓読みになるか音読みになるかで「湯桶読み」なのか「重箱読み」になるのか決まるわけですね。同時に、このことが「湯桶読み」と「重箱読み」の見分け方でもあるわけです。
さて、ここで訓読み、音読みという言葉が出てきましたが、これについては次の章で解説します。
訓読みと音読みの見分け方
音読みはもともと中国から入ってきた読み方で、発音を聞いただけでは意味が分からないのが特徴です。例). 涼(りょう)、食(しょく)、走(そう)など
それでは困るということで日本語の意味を漢字に当てて意味を理解しようとしたのが訓読みの読み方になります。
従って読み方に送り仮名をつけたり、レ点(かえりてん)を付けたりすると意味が通ったりします。
例). 涼(すず)しい、食(た)べる、走(はし)るなど。
以上を踏まえて以下に挙げた見分け方をすると分かりやすいです。
●発音を聞いて意味が分かれば訓読み、分からなければ音読み。
山→「やま」と「さん」の違い
●送り仮名をつけると意味が通ると訓読み
居→(い)る、送り仮名を入れると意味が通るので訓読みは「いる」、居(きょ)だけでは意味不明なので音読みは「きょ」
●単語が一語で読み方が一つだけのときは音読みとみてよい
肉(にく)、席(せき)など
●「ん」で終わったり「きゃ」「きょ」「ちょ」の音声が入る漢字は音読み
菌、金、銀、客、居、貯など
ただ、この音訓の見分けは例外もあって非常に難しいです。基本的な見分け方をしっかりと理解したら、あとは一つ一つ知識を積み重ねていくことです。
次章では「湯桶読み」と「重箱読み」の間違えやすい単語を挙げます。
「湯桶読み」と「重箱読み」の一例
●湯桶読みをする間違いやすい単語
最初の一語は全て訓読みです。「家」は音読みではありません。
家賃 「や ちん」
消印 「けし いん」
相性 「あい しょう」
顔役 「かお やく」
金具 「かな ぐ」
手本 「て ほん」
●重箱読みをする熟語で間違えやすい単語
最初の一語は全て音読みです。特に「役」とか「絵」などは訓読みではありません。
碁石 「ご いし」
台所 「だい どころ」
絵筆 「え ふで」
一羽 「いち わ」
天窓 「てん まど」
役柄 「やく がら」
まとめ
さて、「箸食」という漢字の読み方からはじまってとうとう、「湯桶読み」や「重箱読み」などという、普段あまりお目にかかったことのない言葉にまで調べが進んでしまいました。
ここに至って訓読みや音読みなども間違えやすい漢字が多く、なかなか奥が深いものがあります。
こうした言葉についての疑問は普段なかなか学習する機会がありません。この機会に確実に覚えてしまうと後々役に立つこともあります。
なんでもそうですが、学習も基本が大切です。基本的な事柄をしっかりと理解することでレベルアップに繋がるかと思います。