「美容と健康」のためには十分な睡眠と栄養バランスの良い食事が大切です。そして魅力的な女性には輝くようなオーラと素晴らしい笑顔が伴います。
怒りの衝動を自制できない無粋な女性に人は魅力を感じません。せっかくのビジネスチャンスもふいになるばかりか、周囲との人間関係も損なわれます。
「このままではいけない、必ず失敗しそう……」と、
自らの激しい怒りの衝動に苦悩する時、明らかに病的であり、精神の安定に大きく関与しているセロトニンの不足が原因かも知れません。
この際、生活習慣を見直しセロトニンの摂取を心掛けることであっさりと問題が解決するかも知れません。
今日は怒りの衝動を鎮める神経伝達物質、セロトニンについて解説します。
セロトニンとは
必須アミノ酸の一つであるトリプトファンから生成される神経伝達物質の一つです。
人の感情に影響を与える神経伝達物質は総称してモノアミン神経伝達物質と呼ばれ、ドーパミンやノルアドレナリン、ヒスタミンなどがあります。
セロトニンはドーパミンやノルアドレナリンの暴走を抑え、感情のバランスをとります。
ドーパミンは恋愛ホルモンとも言われたりしますが人を楽しくさせ、興奮させ、攻撃や怒りの衝動を起こりやすくさせます。
ドーパミンの分泌が終息し代謝される時、カップルの恋愛感情も終わりを迎えると言われています。
ノルアドレナリンはアドレナリンの前駆体であり、アミノ酸チロシンから合成されるストレスホルモンです。アドレナリンと共に、体を闘争や逃避といった反応に適するように変えます。
すなわち交感神経系に作用して血圧を上げ、心拍数を高め、筋肉に素早い反応をさせるために脂肪エネルギーを燃焼させるなどの作用をします。
これらの作用に起因する攻撃的な衝動を沈静化させ、調和をもたらすのがセロトニンになります。
なおドーパミンはノルアドレナリンとアドレナリンの前駆体です。「前駆体」とはある物質が生成される「前段階の物質」ということです。
怒りの衝動とは
怒りの衝動に密接に関与しているのはノルアドレナリンとドーパミンであり、セロトニンはこの両者を制御する働きをしています。
セロトニンの材料となるトリプトファンの摂取量が不足した女性はその摂取量が十分なグループの女性と比較して攻撃的行動が著しいという実験結果があります。
これによると血漿中のトリプトファン濃度が正常値の60%まで不足すると情緒に変化が生じ、要するに怒りの衝動が抑えられない状態になるそうです。
セロトニンの効果
「幸せホルモン」と言われるセロトニンはドーパミンやノルアドレナリンに働きかけ、怒りの中枢を刺激しないようにして怒りを鎮め、落ち着いたハッピーな気分にさせてくれます。
セロトニンは認知機能に関わっており、記憶力や思考能力の改善に大きく作用することは証明されています。
普段から物忘れが激しいような時には、適量の継続的なセロトニンの摂取により改善される可能性が見込めます。
セロトニンはまた睡眠にも関与しています。セロトニンから生成されるメラトニンというホルモンがあります。
これは夜間に分泌量が上昇し、体の深部体温を低下させ深い眠りにつくための条件づくりをしてくれます。これにより良質な睡眠が得られます。
傷ついた細胞組織の補修、新しい細胞組織の生成など体の新陳代謝は睡眠時間になされており、質の良い睡眠により大きな美容効果が得られます。
セロトニンの摂り方
セロトニンの材料はトリプトファンですが、タンパク質は体に取り込まれると一旦アミノ酸に分解され肝臓に貯蔵されます。
しかし体内で貯蔵できないアミノ酸があります。それを必須アミノ酸といいますが、トリプトファンはその必須アミノ酸の一つです。
必須アミノ酸は毎日の食事で摂取しなければなりません。
いかなる栄養素も基本的には食事から摂取するのが一番良いです。栄養バランスがよく何よりも美味しく頂けるからです
セロトニンの材料は体内では作れない必須アミノ酸、トリプトファンなので食事などで毎日摂るしか方法はありません。
トリプトファンの含まれる食べ物は,バナナ、ヨーグルト、チーズなどの乳製品、豆腐、納豆、大豆などの豆類、米などの穀類が挙げられます。これらは普段食卓に並んでいるものばかりです。
トリプトファンはタンパク質が変身したものです。さらにセロトニンにするためにはビタミンB6、炭水化物が必要です。要するにバランスよく、好き嫌いなくご飯を頂くことです。
食事による摂取が一番よいのですが、環境や時間の問題で無理な時にはサプリによる摂取も合理的です。
サプリの吸収率は食事の時よりも遥かに高いので一日の分量はしっかり守ることです。
トリプトファン摂取用の必要な栄養分がバランスよく配合されているサプリが販売されています。
おわりに
ヒトの体は、生理活性作用を増大させる物質と減少させる物質とのバランスにより成り立っています。この物質の増減は多数のホルモンによって複雑且つ、絶妙にコントロールされています。
従って「美容と健康」を保つにはホルモンバランスの維持ということが重要な課題になります。ホルモンバランスを正常に維持するには、普段からの生活習慣に注意を払わなくてはなりません。
その第一は十分な睡眠であり、栄養バランスの良い食事、ストレスフリーの生活が挙げられます。ストレスフリーになるヒントは物事の考え方、捉え方の習慣を意識的に変えることです。
普段から仕事面ばかりに気を配らず、自分自身を思いやり、可能な限り疲れたら休息する、眠ければ眠るというような体の自然な欲求に従う生活を送ることです。
どうしてよいかわからない時は一人で抱え込まずに、まずは「心療内科」で受診し医師のカウンセリングを受けるなどすべきでしょう。
そのような具体的な対処で、あの「怒りの衝動」からも解放されることになります。
