言葉が出てこなくて会話ができない時の対処法!

言葉が出て来ない……

会話の途中で言葉がでてこなくて会話が途切れることがあります。思い出そうとしてもその対象が出てこないのです。

しかし大抵の場合は後で何かの拍子にふと思い出したりします。これは「ど忘れ」とか「物忘れ」などと言われ、加齢による生理的な現象とされています。
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しかしそれがしばしば起こったり、後で思い出すことができないような時には、誰しもが不安に思います。

そのような場合どうしたらよいのでしょうか。

今日は言葉が出てくる仕組みと言葉が出てこなくて会話ができない時の対処法について分かりやすく解説します。

言葉が出てくる仕組み

大脳皮質には「話す」「書く」に関与する運動性言語中枢や「聞き取る」「理解する」を司る感覚性言語中枢などの言語中枢が存在し、これらが機能して人の言語活動を支えています。

これらの言語中枢は場所的には前頭葉と側頭葉にあります。側頭葉は約9割の人が左側の大脳半球に存在するとされています。左右の存在場所の違いは利き腕と関係があることが分かっています。

こうした言語中枢は言語野と呼ばれていますが、この部分に何らかの不具合が生じることで正常な機能を果たせなくなることがあります。

言語野の「話す」部分が正常に機能を果たせなくなると「言葉が出ない」という症状が起こります。また「理解する」部分の機能が低下すると「相手の言葉が分からない」という状態になります。

言葉が出てこない原因は?

言葉が出てこない原因は、前頭葉と側頭葉に存在する言語中枢の機能低下が挙げられています。

軽度なものからその原因を挙げます。
その機能低下はどのような原因からもたらされるのでしょうか。

加齢による大脳の生理的な機能の低下。この場合は日常生活には支障を来さず、本人も忘れっぽいことを自覚しています。

その後の会話も問題なくスムーズに進展します。特に心配する必要はなく普段から、敢えて暗記や記憶力を必要とするような生活を送ることにより改善も可能です。

そしてほとんどのケースはこのパターンに収まります。

次にパソコンやスマホに頼り、文章を書くことや、暗記したり、記憶したりすることを忌避するような生活習慣の積み重ねがあります。

その他に不規則な生活による睡眠不足やストレスなども言語中枢の機能低下に関わっていることが指摘されています。

重度な場合は以下が挙げられます。
脳卒中が考えられます。脳卒中とは脳出血や脳梗塞などの脳血管障害が原因で起こる脳内の血液循環障害により生じる症状のことを指します。

この障害により侵食される言語中枢、すなわち言語野の範囲により「話す」「書く」「聞く」「理解する」などのそれぞれの領域が影響を受けます。

前兆があるケースもありますが、一般的には急激な発症が特徴となっています。

言葉が出てこない時の対処法

自身であれ、周囲の誰かであれ、言葉が出てこない時の対処法は、緊急性の有無により分かれます。

ここで、食べ物などを気道に詰まらせると言葉が出てこない状態になり、この場合も緊急に気道を確保するなどの措置を講じなければなりませんが、今回は脳機能の低下が原因の場合をテーマとしており、このケースは除外します。

まず手の震えや顔面の極端な歪み、意思の疎通が全くできないなど、その人の様子が明らかに尋常でない場合には、言うまでもなく間髪を入れずに救急搬送措置を講ずることです。

救急搬送の時間が経つほどにそれだけ後遺症が重くなるばかりでなく生命にも関わります。

それとは別に、明らかに緊急性がない場合でも次の点を観察することで不測の事態は避けられるかと思います。

急激な症状なのかどうか
呂律が回るかどうか
物の名称をきちんと言えるかどうか
会話が論理的に通じるかどうか
顔の歪みなど、その他の目立つ異常な点はないかどうか

こうした点に留意し患者にゆっくりと語りかけながら注意深く様子を観察します。そもそも言葉が出てこなくて会話ができないという事自体が尋常ではありません。

上記を総合的に勘案して危険と判断された時にはたとえ深夜であろうとも速やかな救急搬送の措置を講ずるべきと考えます。窒息などとは違いこの場合、家庭でできるその場の応急措置はありません。対処は迅速に行う必要があります。

まとめ

30代、40代という若い世代の若年性アルツハイマーという言葉も聞かれる昨今、ど忘れや物忘れは老若男女、普段からよく見受けられます。

その原因が単なる老化による大脳機能の生理的な衰えであればこれに越したことはありません。

しかし時には重い病の前兆となっていることも極めて稀ですがあり得ますので、普段から関連する知識を得て、救急体制をイメージしておくなどの心構えは必要なことかと思います。