光合成細菌は土壌を改良する有益な微生物であることをご存じでしょうか。
今日は光合成細菌のお話です。光合成細菌は土壌を改良し作物の生育を高める働きをする有益な微生物なんです。
光合成細菌は大抵中堅規模の農業を営む人が取り扱っていて詳細な作り方や培養セットまで提供しています。その培養はいたって簡単で、種類もあるようです。
とはいっても細菌と名前がついている以上人体にリスクはないものかどうか、そして光合成細菌とは一体何なのか、またどういった働きをするものなのか気になり調べてみました。
光合成細菌とは何なの?
光合成細菌は本来水田や田に住み着く土着菌ですが、用水路や沼など有機物があり水のあるところならどこにでも存在している細菌です。
光合成をするので光合成細菌と言われ、酸素発生型と酸素非発生型があり、後者は酸素がなく明るいところほど増殖し色素も増すそうです。
ただし植物の光合成とは大きな違いがあります。
通常、葉緑素をもつ植物の光合成は太陽光エネルギーにより水と二酸化炭素から酸素と炭水化物を生成させ、酸素は大気中に放出され炭水化物は他の生物のエネルギー源として供給されるわけですが、光合成細菌は水の代わりに硫化水素やメタン、アンモニアなどを使って光合成をします。
そして生成物を自らのエサとして増殖し、更に各種アミノ酸、リパーゼ、核酸、カロチン色素、ビタミン、その他の活性物質等、生物の生育に有益な物質を生成させます。
その上決定的な違いとして、植物の光合成は太陽エネルギーの可視光線レベルのエネルギーしか利用できないのですが、光合成細菌は紫外線やマイクロ波なども利用でき、更に放射線などあらゆるエネルギーを利用できる点にあります。
光合成細菌はどんな働きをするの?
このように生物にとっては大変な善玉菌とも言うべき光合成細菌ですが、実際にどんな働きをするのでしょうか。
光合成細菌が増殖することにより、地温を上げ放射菌などの有益菌を増殖させ病害を抑えます。
水のあるところでは硫化水素などを取り込み分解することから、土壌の毒性を浄化し、保水性や通気性を上げて作物の生育に寄与するような土壌をつくる。
光合成細菌は各種アミノ酸、リパーゼ、核酸、カロチン色素、ビタミン、活性物質などを生成し、飼料の栄養価を高める働きをします。
光合成細菌が作り出す有益物質により糖分が増したり、味やモチが良くなったりします。
油分は光合成細菌が生成するリパーゼにより脂肪酸とグリセリンに分解され、最終的に炭酸ガスと水に分解されます。
この技術は例えば、ヘドロや廃油の分解、河や用水路の水質の浄化などに大いに貢献すると思われます。
光合成細菌は放射線エネルギーを利用できるところから比較的低コストで効率よく放射性物質を除染することが可能となります。
光合成細菌はざっとこのような働きをしますが、これはその働きのほんの一例であり、さらなる研究開発と新たな菌種の発見により無限の可能性があるのではないかと思います。
おわりに
今回光合成細菌について調べていく内に、光合成細菌とは生物にとって大変有益な善玉菌であり、酸素を作り出す植物群とともに光合成を通して人類の生存のためにも大きく貢献していることが分かりました。
地上が未だ生存環境に適さない太古の世界では、海の藻類が光合成により活動していた時代がありました。
藻類の活発な光合成作用により地上は酸素で満たされ、やがて酸素量が増えるにつれて有害な紫外線と酸素が反応しオゾンが生成され、上空のオゾン層の形成へと発展しました。
それにより紫外線の脅威も軽減され生物が海から陸へと移り住み、今日に至っているわけです。
オゾン層の破壊が取り沙汰されて久しいですが、人類の未来のためにも光合成細菌については真剣な取り組みとさらなる研究が望まれます。