新型コロナウイルス対策、最強の感染予防策はこれだ!

新型コロナウイルスの猛威は止まるところを知らず、日本でも日増しに感染者が増大しています。先日欧州のEUは日本からの入国禁止を発表しました。

最強の感染予防策を指導する女医さん
どういった予防策をとればウイルス感染を防げるのでしょうか。

リサーチしていくと目を引く記事が見つかりました。スペインの新型コロナ研究チームの報告です。

本稿では新型コロナウイルスに関する各国の専門家や研究チームの報告をご紹介し、それを手掛かりとして新型コロナウイルスへの最強の感染予防策について考えてみました。

スペイン研究チームの報告

スペインの新型コロナの研究チームが、昨年の4月にマドリードの医療施設を利用した666名を調査した結果、感染者4人に1人が舌に異常を感じ、10人中4人が手の平や足の裏に熱を感じたり、小さいシミや赤い変色が見られたということです。

このうち注意を引いたのは舌の異常で、舌が腫れたり灼熱感があったり、舌に斑点や口内炎ができるという報告でした。

コロナ患者の大きな特徴の一つに味覚障害がありますが、それとこの報告における舌の異常は関わりがあるのでしょうか。

コロナウイルスと舌の異常については、いわゆる「コロナ舌」としてスペインだけでなく以前から各国で確認されているところです。そしてやはり味覚障害を伴っています。

つまりコロナの症状は口腔内の舌や粘膜の炎症としてあらわれるということです。そしてこうした炎症は歯周病菌が関与しています。

歯周病菌の脅威

英国リーズ大学の新型コロナ研究チームによる『COVID-19での口腔内細菌の役割』というタイトルのオンライン報告では、コロナによる死亡要因には歯周病菌などの口腔内細菌が大きく関与しており、新型コロナの死者からは大量の歯周病菌が見つかっているとのことです。

原因と結果の因果関係はともかくとして、患者の口腔内がそれだけ汚染されていたわけです。

さらに日本の歯周病研究の権威によると虫歯や歯周病菌がウイルスや細菌の感染リスクを高めることは100年前のスペイン風邪の当時から報告されているそうです。

そのメカニズムは歯周病菌が産生する酵素(プロテアーゼ)が粘膜を傷つけ、ウイルスの侵入を容易にし、歯茎の炎症などにより生成される炎症物質(IL-6)がウイルスの感染を促進することによるそうです。

そして歯周病菌は口腔内の問題だけではなく、心臓病や糖尿病、肺炎、認知症、がん、肝炎などの疾病にも関わっていることが1990年代から知られています。

子供がコロナに感染しないのはどうして?

子供が新型コロナウイルスに感染したという話はあまり聞きません。仮に感染しても大部分は軽症で済み大事には至りません。どうしてでしょうか。

このことについて、日本の歯周病研究の権威の語るところでは子供に歯周病患者はいないことを挙げています。歯周病は一種の国民病であり、大人では、20歳代では70%、60歳代の人では90%の人がかかっているそうです。

このことからもコロナ感染者の死者に高齢者が多く、また多くは肺炎様症状により死亡する理由が歯周病菌との関わりにおいて納得できるのではないでしょうか。

感染予防策には口腔内のヘルスケアが極めて重要であることが分かります。

最強の感染予防策

ここにおいて、歯周病に代表される口腔内病変を抑止し、口腔内ヘルスケアを徹底することで結果的に最強のコロナ感染予防策となり得るのではないかと考えます。

口腔内ヘルスケアとは舌の表面の汚れ、すなわち舌苔(ぜったい)を落とし、舌や歯茎の炎症を抑止し、口腔内を健康に保つことを意味します。舌苔は細菌の巣窟です。うがいは口腔内ヘルスケアのほんの序の口にすぎません。

口内炎や口臭など口腔内の異常の大部分の原因をつくっているのはこの舌苔に根付いている細菌をはじめとする歯周病菌の作用によります。

新型コロナウイルスは細胞表面の受容体ACE2にくっついて細胞内に侵入することが解明されています。この受容体ACE2は特に舌の表面に多く、舌の表面につく舌苔(ぜったい)には感染しやすくなる酵素が大量に存在すると言われています。

こうしたことからもウイルス感染の防止策を考えるにあたって、口腔内のヘルスケアについては真剣に取り組まなければなりません。

舌苔の除去には、舌ブラシや舌ジェル、クリーナー、カプセル状のものなどネット上で様々な製品が出回っており、手軽に入手できます。

舌苔の状態がひどい場合には自己判断せずに専門の医療機関での受診が安全でおすすめです。科目は歯科、耳鼻科、口腔外科になります。事前に問い合わせるとよいでしょう。

感染リスクが高まる時……!

どのような状態の時に感染リスクが高まるのでしょうか。

睡眠不足や過重な労働などで体力を消耗している時は体の抵抗力も弱く、当然感染リスクが高まります。

その他特筆すべきは唾液が不足しがちになる時です。唾液にはウイルスや細菌を阻止する働きがあります。

唾液の働き
唾液には抗生物質様の働きをするラクトフェリンやIgA抗体などの免疫物質が含まれており、細菌やウイルスの侵入を防ぎ、粘膜の修復をする働きがあります。その他抗がん性の作用をする酵素の存在も知られています。

そのため唾液が減少すると口腔内は細菌やウイルスへの抵抗力が弱まります。適切なヘルスケアをする必要があります。

こうしたことから口腔内ケアを怠ってはならず、逆に言うと念入りに口腔内ケアをしていれば感染リスクを大きな確率で減らすことができることになります。

おわりに

新型コロナ禍では既に世界中で5000万人が感染し、125万人もの死者を出しています。

その対策として日本ではこれまで、

 ①3密の防止(密閉、密集、密接)
 ②マスクの着用(屋外)
 ③ソーシャルディスタンスの保持(2m)
 ④頻繁な手指の消毒

などの対策がとられています。特にマスクの着用については社会的にトラブルも多く発生し、コロナの感染予防策として国民に強い印象を与えています。

そのことからマスクさえ着用すれば大丈夫という先入観からか、うがいをはじめとする基本的で重要な口腔内ヘルスケアが意外にも不十分になっているのではないかと懸念されます。

上述の4点の対策に加えてさらに、その都度マスクを外し口腔内ヘルスケアの徹底を付け加えることで感染予防策が強力なものになると考えます。