放射能が危険で恐ろしいと思う理由を調べてみました!

放射能は危険で恐ろしいことはすべての人々が知っています。

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その理由はどういうところから来ているのでしょうか。

ウイルスや細菌同様、目に見えるわけでもなく特有の臭気があるわけでもありません。しかし放射能という言葉には格別の恐怖心が付きまといます。

本稿では放射能とはどういうものなのか、どうして危険で恐ろしいと思うのかその理由を調べてみました。

この疑問を解くには「放射能」という言葉に関わってくる用語、「放射性物質」と「放射線」について理解しなければなりません。

放射能とは

放射能とは、放射線を放出する性質をいい、またはそうした性質を持つ放射性物質のことを表します。時には放射能と放射線は同意で用いられる時もあります。

ウランなどの元素が放射性崩壊を起こして別の元素に変化する際に放射線を出します。この場合ウランは放射能を持った放射性物質ということになります。

この放射線は人体に様々な影響を及ぼします。

どうやら放射能が危険で恐ろしいと思う先天的な理由はこの放射線が人体に悪影響を及ぼすことを潜在的に理解しているところから来ているのかも知れません。

放射線の種類

放射線には種類があります。恐ろしい放射線として知られているものに以下があります。

アルファー(α)線
物質透過力は小さく紙一枚で遮蔽できるが、α線を放出する放射性物質を体内に取り込んだ場合、半減期が長く、内部被曝により人体のDNAは影響を受け、がん細胞が発生する要因となります

べータ(β)線
セシウム、バリウム、ランタンなどのβ線放出物質は強いエネルギーで皮膚を焼き、放射線特有のやけどの症状を引き起こします

ガンマ(γ)線
ガンマ線は光と同じ種類の強いエネルギーを持つ電磁波でヒトのDNAに大きく影響し、がん細胞を生じさせ、染色体も侵食します

中性子線
原子炉内から中性子の一部が漏れると中性子線となり、そのエネルギー自体は強くはないが、人体に接触することで中性子線はヒトの細胞内の核と反応し強力なエネルギーを持つβ線やγ線を放出します

これらの他に自然の宇宙線やX線などがあります。これらは放射線には違いないとしても、ほとんど無害と考えてよいかと思います。

被曝するとはどんなこと?

被曝とは放射線に人体が晒されることを意味します。放射線は人体を貫通します。貫通する間、体内のDNA細胞をはじめ造血細胞や内臓の幹細胞などあらゆる細胞を傷つけて抜けていきます。

細胞は放射線の強さや当たりどころによっては死滅してしまいます。その結果、下痢や細菌感染症などを発症し、造血系統が影響を受けた場合には、白血球や血小板の減少などが見られ、最悪死亡します。

被曝を防ぐには放射線から身を守るための防御が必要です。

被曝を防ぐための防御策

被曝にはその形態によって「外部被曝」と「内部被曝」があり、それぞれ被曝を防ぐための防御策があります。

外部被曝防御策

  • 放射線との間に物理的に距離や隔壁を設ける
  • 放射線を浴びる時間を短くする

内部被曝防御策

  • 大気中に拡散している放射性物質を呼吸により吸入しない
  • 汚染された水や食料品を摂取しない
  • 不用意に接触しないことで、傷口など皮膚を通しての侵入を防止する

以上のような防御策が採られています。

放射能が人体に及ぼす影響は?

放射能は人体にさまざまな影響を及ぼします。第一にヒトのDNA細胞を破壊します。

人体にはDNA細胞が壊れても修復システムが備わっていますが、その修復作用にも限界があります。損傷したDNA細胞はそのまま増殖されると、がんの要因になったりします。

皮膚に直接、間接に放射線を浴びた場合には放射線の種類や程度にもよりますが、やけど状の症状や脱毛、不妊、嘔吐、下痢等の症状が出たり、数年経ってから症状が現れる場合もあります。

いずれにしても放射線により損傷したDNAは遺伝的にどのように受け継がれていくのか予断を許さないものがあります。

放射能と半減期について

放射能には半減期があります。半減期とはその力が最初の時の半分になるまでの時間のことです。この半減期が過ぎるたびに放射能の脅威が薄れていくことになります。

半減期分の時間が経過するたびに放射線の強さが半分に減るため、2つ目の半減期が過ぎると最初の時の強さの4分の1にエネルギーが減少していることになります。

半減期が長いか短いかは放射性物質により異なります。

環境省の資料では、ヨウ素131では約8日、セシウム134では約2年、セシウム137は約30年とされています。

セシウムなどは土の粒子にしっかりと密着しているため水で流せるようなものではなく、土を入れ替えるなどしない限り長い間放射線を出し続けることになります。

ちなみにウラン235と並んで核兵器の生産に使用されてきた強力な核分裂性を持つプルトニウム239の半減期は2万4100年もかかリます。その間永遠に有害な放射線を出し続けていきます。

おわりに

今日は放射能という、大変曖昧ではあるけれども格別の恐ろしさがある物質についてリサーチしてみました。

過日、福島原発の原子炉格納容器底部で多種多様な生命体の存在が確認されたようです。

それもバクテリアや細菌類だけでなく、藻類やプランクトンなどミリ単位の多細胞生物が繁殖している可能性が高いとのこと。

放射線量が毎時8シーベルト、人間ならば1時間で死亡するような高線量の場所での発見です。

これらの生命体が如何にして生存できるのかを徹底的に研究、解明して欲しいものです。

それにより将来の放射能対策に画期的な発見がなされるかも知れません。