あくびは病気の兆し……? あくびと病気との関わりについて!

あくびは、疲れた時、眠い時などに意図せずに起こる呼吸動作であり、顔面筋全体を強く伸縮させ、空気を大きく吸い込むことに特徴があるおなじみの生理的動作です。

これを複数回繰り返す場合もあります。

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通常あくびの後は大きな爽快感があり心身がリフレッシュし、精神が落ち着き目先のことを客観的に考える心のゆとりができます。あくびをすることには本来このような意味があります。

しかしいつまでもあくびが止まらずリフレッシュ感も無く、かえって息苦しさを感じるような時は病気との関わりが疑われます。

本稿ではこのあたりのことを調べてみました。あくびについて過剰な心配をする必要はないとしても、何かしら気にかかるようでしたら気を付けるに越したことはありません。

はじめにあくびはなぜおこるのでしょうか。

あくびはなぜおこるの?

あくびをおこす要因についていろいろな説があります。

ざっと「眠気説」、「疲れ説」、「退屈説」、「酸素不足説」、「脳冷却説」、「緊張説」、「病気の兆し説」などが挙げられます。

それぞれ説得力があり、確かに要因の一つと考えられます。

ちなみに上記の「緊張説」とは、人が何か緊張した状態にいる時にあくびが頻繁に出るという主張です。

これは極度の緊張やスレトスにより脳内での酸素の消耗も激しくなりあくびによって酸素を取り込もうということです。

これに関し「乗客の疑わしい行動をチェックする項目」の中に「過度のあくび」を含めているという、外国のある運輸関連の公安組織もあるそうです。

緊張やストレスもあくびが出る要因になり得るわけです。

注意しなければいけないのが上記の「病気の兆し説」です。これは脳が酸素を不足し、あくびを促すのは病気との関わりがあるのではないかという主張です。

では、あくびを促す病気にはどのようなものがあるのでしょうか。

あくびと病気との関わり

脳内に酸素欠乏をおこすような病気はほぼすべてあくびを引き起こします。
以下に、あくびと関連する病気のいくつかを紹介します。

  • 睡眠障害

    あくびが頻繁に起こる場合、睡眠障害が原因であることがあります。睡眠時無呼吸症候群や不眠症などの睡眠障害は、あくびの発作を引き起こす可能性があります。これらの病気は、十分な睡眠を妨げるため、あくびの頻発を引き起こします。

  • 神経疾患

    頻繁なあくびの原因として神経疾患が考えられます。パーキンソン病や多発性硬化症などの神経疾患は、あくびを引き起こすことが知られています。これらの疾患は、中枢神経系に影響を与えるため、あくびの発生を促すことがあります。

  • 心血管疾患

    あくびが頻繁に起こる場合、心血管疾患が関与している可能性があります。狭心症や心筋梗塞等、心臓の問題や高血圧などの心血管疾患はあくびを引き起こすことがあります。これらの病気は血管が詰まることから血流が悪くなり脳内に酸欠を起こし、そのため頻繁なあくびにつながります。

  • 呼吸器疾患

    あくびが頻繁に起こる場合、呼吸器疾患が関与している可能性も考えられます。喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患は、あくびを引き起こすことがあります。これらの疾患は、呼吸に関する問題を引き起こすため、あくびが頻繁に起こることがあります。

  • 低酸素血症

    この病気になると血液中の糖分グルコースの調節ができなくなり、脳が必要としている時も供給できないことから脳の働きが低下し、あくびが出ます。素早く酸素を取り込んで脳を活性化させようとするため、口を大きく開けるあくびが特徴です。

  • 精神的な要因

    あくびは極度の緊張状態など、精神的な要因が関与している場合もあります。ストレスや不安などの精神的な問題は、あくびを引き起こすことがあります。これらの要因は、神経系に影響を与えるため、あくびの発生を促します。

 
あくびは脳内に素早く大量の酸素を取り込み酸素不足を解決しようとする動作であり、上記の病気の共通項はすべて脳内の酸素を不足させる点にあります。

まとめ

あくびの本質は体が酸素を要求した時に、素早く大量の酸素を体内に取り込むことでした。

ごく自然な疲れや眠気からあくびが出る場合には、大きな爽快感が伴うのが普通であり、この場合には何の心配もないのですが、あくびが止まらなかったり息苦しい時は病気の兆しかもしれません。

さらに頭痛や吐き気、めまいが伴ったり、手足のしびれや麻痺などが現れたり、言語障害が認められたりする時は明らかに異常であり適切な対処が望まれます。