風疹が流行っているようです。もともと子供が罹りやすいと言われていますが、今年は30代~40代の男性の罹患者が多いそうです。
このように風疹が流行る時、特に女性は気をつけなければなりません。風疹は女性には脅威になる場合があるからです。
風疹自体は「3日はしか」と呼ばれるくらいに、とりわけ重大な病気とは思えませんが、妊娠中の方や妊活中の女性は十分な警戒が必要です。
今日は風疹が流行る時節柄、その原因と症状、そして特に女性が気をつけるべきことをまとめてみました。
風疹の原因は?
風疹は風疹ウイルスに感染することで発症する感染症です。感染者の咳やくしゃみで飛び散ったウイルスを吸い込むことで感染します。大体1~2mの範囲内で感染するそうです。
つばやしぶきなどの微細な粒子による飛沫感染症であり、幼児に多い麻疹などの空気感染症よりは感染力は弱いとされています。
ここに「麻疹」とは「はしか」または「ましん」とも呼ばれ同じ意味です。
風疹と麻疹は別の病気ですが症状は良く似ています。
この種の感染症は症状が似通っている病気が多くあり、風疹のつもりが重篤な別の感染症であることもあり、風疹かどうかの判断は臨床診断では困難で、一般的には抗体検査により判断します。
風疹の症状とは
感染後、2週間程度の潜伏期間の後に発症します。発熱と耳や首の周囲のリンパ節の腫れ、赤い発疹などが現れます。
どの年代でもかかりますが子供に比較して大人の方が症状は長引くようです。風疹は一回やると体に免疫が出来上がり、二度と風疹にはならないと言われています。
風疹の症状は麻疹とほぼ似ていますが、麻疹は熱の上がり下がりが激しく、加えて咳込みなど風邪のような症状が続き、全身性の赤い発疹や口の中に白い斑点が出るなどします。症状は風疹の方が比較的軽いのが普通のようです。
風疹は女性には脅威になるんです!
大人の風疹で注意すべきは妊娠中の女性です。この時、風疹に罹患すると脅威になる場合があります。
風疹に対する免疫が無かったり、抗体価が低い場合、仮に胎児が感染すると難聴や心疾患、白内障などの「先天性風疹症候群」という障害を持つ可能性があります。しかも妊娠中は生ワクチンの接種はできません。
こうなると手当のしようがない事態になります。そのため女性が気をつけるべきことは妊娠前からワクチンの接種を受けるなどして、確実に風疹に対する免疫性を確保しておくことが重要になります。
風疹に感染しているかどうかの判断は抗体検査で診断します。免疫の有無や抗体価についてはその際の血液検査で分かります。
風疹は感染症です。普段から罹患しないような対策が望まれます。
風疹の予防法と治療は?
風疹は予防接種を受けることで予防が可能です。各自治体では予防接種の接種歴がない人や、不明な人に予防接種を受けることを積極的に勧めています。
風疹にならないために、現在これが最良の方策と考えられます。特に妊活中の人は予防接種が望まれます。妊娠してからではもはや手当ができないからです。
風疹は軽度な感染症です。風疹の可能性がある時には直接医療機関へ出向かずに、電話等により指示を仰ぐなどの配慮が必要です。あちこちと行動するのは控えるべきです。
お子さんの時には周囲の人に感染させないような注意が必要です。子供は遠慮なく大きな咳をしますので、そばに妹さんがいたりすると兄弟揃って感染することになります。
風疹は麻疹と違って、自然に回復していきますが、感染した際の治療は症状がひどい時には熱を下げたり、咳やかゆみを止めたりといった対症療法になります。
おわりに
風疹について調べていくうちに、風疹は伝染病であることを改めて危機感を持って認識しました。
学校保健安全法では風疹は第2種の学校感染症と定めており、風疹に罹患した生徒は発疹が消失するまで、或いは学校医その他の医師の判断がなければ学校に出席できないことになっています。
さらに罹患者が出た地域の生徒やそのような地域を旅行してきた生徒も同様に医師の判断のもとに出席が許可されるそうです。ちょっとした配慮の不足や不注意によって罹患することは十分にあり得ることです。
風疹は日常的にきちんとした対策が必要な油断のできない病気です。