新型コロナの変異株ウイルスの意味と症状の違いについて簡単にお話します!

各国で新型コロナの変異株ウイルスによる感染が確認されています。

新型コロナの変異株ウイルスは、昨年末にイギリスで最初に発見され、感染が世界各国に広がりました。強い感染力を持つ新型コロナの変異株ウイルスとはどのような特徴があるのでしょうか。

変異株ウイルスのイメージ画像
また感染した際の症状は、従来の新型コロナウイルスの症状と違いがあるのでしょうか。

本稿では新型コロナウイルスの変異株ウイルスの意味と症状および感染予防策について簡単にお話します。

はじめに「変異株(へんいかぶ)」と似たような言葉に「変異種(へんいしゅ)」という言葉があります。この両者は全く意味が異なることからお話しなければなりません。

変異株と変異種の意味の違い

突然変異とは遺伝子情報が一部変化することですが、これは決して珍しいことではなく、遺伝子の複製過程で時折発生します。「変異株」と「変異種」の違いは突然変異によって新しい生物種が誕生するかどうかに因ります。

変異株ウイルスとは

ウイルスは自らを複製して増殖していくわけですが、その複製過程は案外雑であり、しばしば遺伝子の読み違えや配列の組み換えエラーが起こります。こうした間違いにより遺伝情報が一部変化し、新しい特徴をもった子孫ができる場合、これを変異株ウイルスと呼びます。

学術的には「N501Y」の変異が起こったという場合、501番目のアミノ酸がN(アスパラギン)からY(チロシン)に変異したことを表します。

生物は分類学上、「界」、「門」、「綱」、「目」、「科」、「属」、「種」などの分類が可能ですが、「株」は「種」をその特徴によってこれ以上はとても分けられないほどに微細に分類したものです。

変異株ウイルスは元来の「種」としての同一性は保持しており、元のウイルスの複製であることに変わりはありません。

なおこうした変異株の中には時折、元のウイルスよりも環境に適合した、打たれ強いウイルスができる場合もあり、今回は正常な細胞への侵入能力が従来型よりも数倍も高く、従って感染力が強い特徴を持つ変異株ウイルスが誕生したようです。

変異種ウイルスとは

極めて近い生物種同志で複雑な遺伝子の交換がなされた際に、極まれに両者の特徴を受け継いだ新しい別個の生物種ができることがあります。

この場合ウイルスの「種」としての基本的な構造に変化が見られ、変異種ウイルスと呼ばれます。新種のウイルスの誕生であり、新たなウイルス名が付与されます。

通常、ウイルスの「変異」や「進化」という言葉には、この「種」と「株」の両方の概念が含まれます。

変異種ウイルスに対しては従来のワクチンの効果は限定的か、もしくは無効と考えられます。

では、従来型ウイルスと今回の変異株ウイルスでは症状に違いがあるのでしょうか。

変異株ウイルスの症状の違い

従来の新型コロナウイルスに感染した場合と今回の変異株ウイルスに感染した場合とでは症状にどのような違いがあるのか気になるところです。

これについてはイギリスの国家統計局(ONS)の本年1月27日の最新の報告では、変異株ウイルス感染者は、のどの痛み、咳、倦怠感、筋肉痛・体の痛みなどの各症状について、従来ウイルス感染者より多少多くみられること、

ただし、味覚や嗅覚を喪失した人の割合は従来ウイルス感染者よりわずかに少ないこと、

そして頭痛や息切れ、嘔吐、下痢といった症状については違いはほとんどないとのことです。

要するに変異株ウイルスは新種のウイルスではなく、従来型ウイルスと基本的な症状では大きな変化はないと考えられます。

ただし、今回のイギリス発の変異株ウイルスについては従来型ウイルスに比較して細胞への侵入能力が数倍高いことが確認されており感染力は遥かに強く、注意が必要です。

それでは変異株ウイルスに感染しないための予防策はどのようなものでしょうか。

変異株ウイルス感染予防策とは

現時点で変異株ウイルスが免疫学的にこれまでのウイルスと異なる挙動をとっていることは確認されていません。

また、ウイルスの遺伝子情報の一部に変異が生じ新たな特徴があるとしても新種のウイルスではなく、従来型の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に変わりはないため、これまで通りの感染予防策はそのまま有効であると考えられます。

すなわち、口腔内のヘルスケアを忘れずに、これまで通り3密を避け、マスクを着用し、手指の消毒を心掛け、ソーシャルディスタンスを保持することで感染リスクを大きく減少できると考えます。

おわりに

今日は変異株ウイルスについてリサーチしてみました。変異株ウイルスと変異種ウイルスは別個のものであることを認識する必要があります。

それによりウイルスに対する心構えも違ったものになります。

なお感染予防ということでは徹底した歯周病菌対策をすることが最強の感染予防策となることを本稿のおわりとして添えます。