エボラ出血熱の特効薬がついに完成か…?

あのエボラ出血熱の特効薬がついに完成したようです。
エボラ出血熱は50%から90%という高い致死率をもつウイルスによる急性熱性疾患です。
 
 Special effects image
その病因が解明されていなかった当初、おびただしい出血症状を呈する末期的患者を前に、懸命な蘇生を試みた医師や看護師、介護関係者が次々と二次感染により犠牲になったことでも知られています。
 
その破壊力は凄まじく罹患した場合なすすべもなく、ただ天に祈るのみという病でした。
 
本稿では待ち望まれていたエボラ出血熱の特効薬について、どのようなものなのかを分かりやすくご紹介します。

エボラ出血熱のこれまでの対応

エボラ出血熱の正体が詳細に解明されてからも有効なワクチンや医薬品が見つからず、治療法としては基本的には先進の医療技術による対症療法が主体でした。
 
しかしそれでも致死率は50%以下に引き下げられ、感染の拡大は劇的に阻止されています。
 
これまでエボラ出血熱に有効なワクチンなどの医薬品が切望されていました。
 
一般にワクチンの新薬開発には莫大な費用がかかります。エボラ出血熱の患者数を勘案すると決して採算がとれるものではありません。
 
先進諸国の大手製薬会社はこのような懸念から当初からワクチンの開発には消極的でした。
 
わずかに米国防総省がテロ対策のためにエボラ出血熱のワクチン開発を行うバイオ企業に助成金の支出などの支援をしていました。
 
民間ではエボラウイルスに危機感を抱いた国際機関や大学、個人研究者のグループがプロジェクトを立ち上げるなどして抗ウイルス剤の研究開発と現地における臨床試験は継続されていました。
 
このような状況で、昨年2018年あたりではエボラ出血熱に有効なワクチン、あるいは医薬品は出来上がりつつありました。
 
では次に本稿の本題に入ります。今回の報道をざっとご紹介します。

エボラ出血熱の特効薬とは?

13日付ロイター配信のトップニュースとして掲載された記事から分かりやすく解説します。

コンゴで行われているエボラ出血熱の治療薬臨床試験で4種類のうち2種類で生存率が最高でほぼ90%以上が確認されたとのことです。
 
これは昨年11月から世界保健機関 (WHO) の調整で結成された国際的な研究グループが行っている臨床試験の結果です。
 
この臨床試験のデータを以下に挙げます。茶色は開発された医薬品名です。
 
茶色の医薬品を投与後の患者の死亡率です。死亡率なので数字が小さいほど助かる確率も大きく医薬品の効果が大きいことになります。エボラ出血熱の死亡率は50~90%といわれています。

REGN-EB3投与後の死亡率:34%
mAb114投与後の死亡率:29%
Zマップ投与後の死亡率:49%
レムデシビル投与後の死亡率:53%

次に、検出された血中のウイルスの水準が低い患者の場合です。
 
茶色の医薬品を投与後の患者の生存率です。今度は生存率なので数字が大きいほど助かる確率も大きく医薬品の効果があるということになります。

REGN-EB3投与後の生存率:94%
mAb114投与後の生存率:89%
Zマップ投与後の生存率:75%
レムデシビル投与後の生存率:66%

これによると血中のウイルス水準が低い場合かなり大きな確率で助かります。この段階で有効な医薬品の供与によりほぼ生存できることになります。早期発見と早期治療が重要になります。
 
以上の数値から①と②の医薬品は明らかに効果が認められます。また③もかなり期待できる効果は認められるかと思われます。④についても致死率が最悪90%の病を53%まで抑え込んでいるあたりは優れた効果が確認できるでしょう。
 
しかしこの臨床試験結果では明瞭に①と②はエボラ出血熱の特効薬と考えられます。これは共に米国リジェネロン・ファーマシューティカルズ社の開発した医薬品です。
 
米国立アレルギー・感染症研究所 (NIAID) によると、①と②の両薬ともにコンゴの全患者に提供されるということです。これはワクチンというよりも治療薬ということのように思われます。

エボラ出血熱の地域的特性

エボラウイルスの保有宿主はオオコウモリといわれています。エボラ出血熱の発症地域はコウモリを食べる習慣があったり、野生動物の生肉に接する機会の多い地域です。
 
更に極端な迷信信仰や公衆衛生観念の欠如した地域に限定されています。こうした地域ではいったん感染者が出ると本人はもちろんのことその家族までもが迫害され社会生活から排除されてしまいます。
 
このような地域の人々への教育と啓蒙、更に公衆衛生観念の植え付け、そして死者への安全且つ尊厳ある埋葬の指導は不可欠であり、今後の継続的な施策が望まれます。
 
エボラ出血熱は1976年にアフリカ大陸中央部で初めて確認された時以来場所を変えながら発症と終息を繰り返し、エボラウイルスはそのたびに進化、変容しています。決して根絶しているわけではありません。

おわりに

エボラ出血熱に有効な特効薬がついに現れました。
 
待ち望んだ特効薬です。日夜研究開発に明け暮れ成果に繋いだ人達の貢献は計り知れないものがあります。
 
エボラ出血熱は遥かに遠い国で発症する病であり、日本ではほとんど知られておらず以前、本稿で取り上げて一体どういった病なのかをご紹介したことがあります。

エボラ出血熱の症状や治療法と根絶について!
コンゴ東部で流行っているエボラ出血熱により死者が200人を超えたそうです。よく考えてみると一国で200人もの死者が出るような事態は非常事態に違いありません。…

ひとまずホッとすると共に今後の状況が気になるところです。