痛風が心配な時、その症状と特徴、さらに治療法について!

痛風に罹ったことのある方は既にご存知と思いますが、痛風の症状には特徴があります。

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痛風が心配な時、その症状と特徴はどのようなものなのか気になるものです。痛風は体質的な要因が大きく完治ということはないように思われます。

本稿では痛風について、その原因を探ると共に、その症状と特徴、さらに治療法についてお話してまいります。

現在の自覚症状が痛風ではないかと心配され、お悩みの時に参考となれましたら幸いです。

痛風発作のメカニズム

痛風発作のメカニズムは、主に体内で生成されるプリン体がエネルギーとして代謝される時に尿酸が発生します。

この尿酸は一旦体内に貯蔵(プール)されますが、プールされたと同じ分量が排出されたら問題はないのですが、何らかの要因により、体内に蓄積される尿酸の分量が勝る場合、血液中の尿酸値が上がり、その値が尿酸の溶解限界値とされる7.0mg/dlを超えると高尿酸血症という状態になります。

この状態が更に7.0mg/dl、8.0mg/dl、9.0mg/dlと濃度が高まるにつれて尿酸は血液中で溶解できず、関節の中で結晶化し、この微細な粒子が関節の骨と骨の隙間(関節腔)に剥離して入り込むと、これを異物と認識した白血球が攻撃を開始します。

その結果、炎症を起こす物質が発生して激しい痛みを引き起こします。

痛風発作とはこのようなメカニズムで引き起こされる一種の関節炎であり疼痛発作として発症します。通常激しい痛みで歩行は困難になります。

痛風の症状

痛風発作はほとんどの場合、足の親指付け根に症状が出ますが、中には足首や膝に来る場合もあります。

一目瞭然にぷっくりと腫れ、患部は赤みを帯びることもあります。患部を動かすと激痛が走り、歩行は困難です。

しかし、安静にしている限りは違和感はあってもそれほどの痛みは感じません。そして、このような症状は数日で治まるのが普通です。

発作時は患部を暖めないようにします。頭痛薬のアスピリンを飲んだり、マッサージをしたりすると悪化します。兎に角安静にしていることが早期の終息に繋がります。

痛風の原因

体質的なもの
痛風の要因のほとんどは体質的、遺伝的なものと考えて良いように思います。そしてこの場合一生涯のお付き合いとなります。

その付き合い方は定期的に血液検査をして、尿酸値が7.0mg/dlを超えないように常に注意を払い続けることです。

ストレス
精神的な要因としてストレスも挙げられてはいますが尿酸値との関わりは不明です。

食事
食事から摂取されるプリン体は最近の研究ではせいぜい2割程度とされています。つまり8割以上のプリン体は食事以外から体内で作られているわけです。

したがって神経質に食べ物にこだわる必要も無いように思います。プリン体はビールに多く含まれているとか言われていますが、問題になるような値ではありません。

むしろ緑黄色野菜を豊富にし、好きなものを食べ、バランスの良い食事を欠かさないことが大切です。

アルコール
但し、酒類を問わずアルコールには尿酸値に影響を及ぼす何らかの作用があることは確かのように思います。この点はプリン体との関わりとは別の視点から研究される必要がありそうです。

痛風の特徴

痛風発作には以下のような特徴があります。

予兆がある
痛風経験のある人はご存知と思いますが、発作には予兆がある場合があります。予兆とはいつも発作が出る部分に独特な違和感を感じることです。

他に手足に水疱が出るという人もいました。また、前日の深酒の代謝が収まらないうちに更に追い酒をした時に予兆を感じたという人もいました。

痛風発作は数日で治まる
発作は普通4~5日前後で治まり、何事もなかったかのように回復します。ただし対処しないと発作がしばしば起こるようになります。

痛風患者には女性が少ない
痛風患者は圧倒的に男性が多いようです。この要因は女性ホルモンのエストロゲンにあり、エストロゲンは尿酸の生成を抑え、体外に排出しやすいように作用することから理解できます。

安静にしていると痛まない
程度にもよるのでしょうが、足の親指付け根に痛風発作が起こると歩行は困難ですが、安静を保っている分にはそれほど痛みは感じません。

しばしば痛風のイメージに痛みを強調するような画像などが使われていますが、患部を動かしさえしなければ痛みはさほどではありません。

痛風の治療法

痛風で病院に駆け込む際には「内科」を受診します。

医師の診察により症状が間違いなく痛風なのかどうかの診断がなされ、痛風であれば、まずは対症療法により発作を沈静化させる処置がなされます。

発作が完全に終息してから、長期的に再発を防止するような治療に入リます。

痛風の時には血液は大抵の場合「高尿酸血症」の状態になっています。この血中尿酸値を良好な状態に改善し、それを維持するような薬物療法が行われることになります。

幸いなことにこの分野では優れた医薬品に恵まれています。

尿酸値が安定するまでは数ヶ月の期間を要しますが、血中尿酸値が安定した後も定期検診が必要となります。

おわりに

今日は痛風のお話をして来ましたが、痛風とよく似た症状を呈する「偽痛風(ぎつうふう)」という疾病があります。

これは何の予兆もなく、突然に痛風に酷似した症状が始まり、関節を動かせないほどの急性炎症が起こります。

偽痛風は痛風と違い、尿酸結晶以外の結晶によって引き起こされる関節炎のことを指します。それは主にピロリン酸カルシウムの結晶により引き起こされることが多いそうです。

偽痛風も発症メカニズムは痛風と同じですが、血液検査では異常が見られない事が多く、比較的女性患者が多いことなどに特徴があります。

ただ偽痛風の場合はそれほど重い症状にはならず、炎症が数日で治まると再発もほとんどないので患者さん自身も病院にいかずにそのまま忘れてしまうということもあるようです。

病気の重さとしては、尿管結石などを併発する痛風よりは遥かに軽いと思われます。