ファイトケミカルはアンチエイジングを促進します!

ファイトケミカルとは?

ファイトケミカル(phytochemical)とはファイトニュートリエント(Phytonutrient:植物栄養素)とも呼ばれています。

アンチエイジングを促進するファイトケミカルのイメージ画像
これは紫外線や微生物、昆虫類などから身を守るために光合成を介して植物自らが作り出す化合物で、果物や野菜類など、植物が持つ特有な鮮やかな色素や苦味、辛味、或いはネバネバの成分のことです。

この中にはヒトに毒性を持つものや有益な作用を及ぼすとされているものがあります。

ファイトケミカルはヒトに有益な働きをするものを指します。

そしてファイトケミカルは今や第7番目の栄養素になりました。

ただし栄養素と言ってもビタミンなどと違って、これが不足すると生命に関わるようなものではないため、これまであまり栄養学上は取り上げられてはきませんでした。

しかしファイトケミカルはヒトが摂取すると体内で抗酸化物質として働きアンチエイジングを促進したり、動脈硬化や心筋梗塞、ガンなどの疾病予防作用のあることが次第に分かってきたことにより栄養学というよりもむしろ薬理学的な分野で、最近注目を浴びてきました。

本稿ではこのあまり知られていないファイトケミカルとアンチエイジングのことを調べてみました。

ファイトケミカルの種類と作用とは

ファイトケミカルは何万何千という種類があり、日々新しい成分が発見され続けています。例えば1個の果物に何10種類ものファイトケミカルの成分が確認されているといった具合です。

その種類と名称は学術的に分類されていますが、本稿では普段馴染みのあるファイトケミカルを取り上げその効果を記します。

  • フラボノイド系、親はポリフェノールになります
    アントシアニン 食べ物:ブドウ、ブルーベリー 抗酸化作用
    イソフラボン  食べ物:大豆など 更年期障害などのホルモン療法や骨粗しょう症に有効
  • フェニルプロパノイド系
    セサミノール  食べ物:ごまなど 抗酸化作用、動脈硬化予防
  • システインスルホキシド系
    メチルシステインスルホキシド 食べ物:ブロッコリー、キャベツ、にんにく、玉ねぎなど コレステロール排出、免疫力向上
  • カロテノイド系
    ルテイン 食べ物:ほうれん草 抗酸化作用
    リコペン 食べ物:トマト、スイカなど 抗酸化作用
  • アルキルフェノール系
    カプサイシン 食べ物:唐辛子類 発熱作用、ヘアサイクル促進作用
    ギンゲロール 食べ物:生姜 発熱作用
  • モノテルペン系
    リモネン 食べ物:オレンジ、いよかん、レモンなどの柑橘類 抗酸化作用、抗アレルギー作用

以上が普段聞き覚えのあるところではないでしょうか。

基本的に色どりの良い果物や野菜類がアンチエイジングを促進します。これらは抗酸化作用を持つファイトケミカルを豊富に含んでいます。

抗酸化力のあるファイトケミカルは摂取されると、体内で発生した活性酸素と結びつき血管や皮膚の細胞の酸化を防ぐ作用があります。

色とりどりの野菜をバランスよく毎日食べることがアンチエイジングに繋がります。

またファイトケミカルは特に皮やヘタに多く含まれているので、普段は使わないような野菜のヘタや皮などの端材を茹でてファイトケミカルスープを作るとアンチエイジング効果のあるスープが出来上がります。

このファイトケミカルスープの作り方とか保存方法を詳しく記したレシピ本なども多数出版されています。

おわりに

ファイトケミカルはこれまでの栄養学ではほとんど取り扱われておらず、まだまだ未知な部分が多い栄養素です。

食品としての機能を超えてむしろ薬理的な機能が期待されている特殊な栄養素と言えます。

ヤナギの木からサリシンが発見され、それがアスピリンの開発に繋がったり、現在の主要な抗ガン剤にバクリタキセルやドセタキセルがありますが、これらもセイヨウイチイの木から発見されたファイトケミカルの成分です。

ファイトケミカルは未だ未知なる成分であるがゆえに今後のさらなる研究の進展が望まれます。

今後、アンチエイジングのみならず、医療分野においても、画期的な新薬の開発に繋がる可能性を秘めた新しい成分が発見されるかも知れません。